米Hewlett-Packard(HP)は,異種IT環境でストレージ・リソースを管理するソフトウエア・スイートの新版「HP Storage Essentials 5.0」の出荷開始を米国時間10月31日に発表した。また,同社のサーバー/ストレージ管理製品のロードマップも明らかにした。

 HP Storage Essentialsは,OEM契約を交わしていた米AppIQの企業向けストレージ管理製品「Storage Authority Enterprise Edition」をベースとしたもの。同製品は,異種のハードウエアを導入する企業向けにストレージ・リソース管理とSAN管理ツールを提供する。HP社はAppIQ社を10月24日に正式に買収しており,新版にはさらに多くの部分にAppIQ社の技術が組み込まれた。

 同スイートは,DMTF-CIM,SMI-S,J2EEといった標準規格をサポートしており,HP社のサーバーおよびストレージ製品に付属している管理プラットフォーム「HP Systems Insight Manager(SIM)」と連携する。

 SIMサーバーの基本的な機能は,「HP ProLiant Essentials」,「同Integrity」,「同Storage Essentials」プラグインを追加することによって拡張できるため,同一のアプリケーション・インタフェースから同時にサーバーとストレージ・インフラの管理が可能になる。同製品の詳細は,同社Webサイトに掲載されている。

 同社ILM/StorageWorks部門担当副社長兼ジェネラル・マネージャのFrank Harbist,氏は,「顧客は,サーバーとストレージの両方を管理できる統合プラットフォームを求めている。Storage Essentials 5.0は,この長期的な戦略を実現させる次の段階である」とコメントしている。

 同社は,この統合インフラ管理機能を提供するために今後6~12ヶ月の間,異種インフラのサポート強化,「HP BladeSystem」環境のオートメーション化技術に新技術の導入などを行なうことを明らかにした。また,クラスタ仮想化,グリッド管理,NASファイラの管理,レポーティング・ツールの強化にも取り組む。その他にも,同社のソフトウエア事業の成長を促すために,ストレージ関連部門への投資拡大も計画されている。

 同月25日,米IBM,米Cisco Systems,米Computer Associates International,富士通など9社が集まり,ストレージ・インフラ・ソフトウエア関連のオープンソース・コミュニティの結成を発表した。当初「Aperi」というプロジェクト名で運営される同コミュニティは,「あらゆるブランドのストレージシステムを管理可能な共通プラットフォームの構築に向け,オープンな手法を取り入れる」ことを目的としている。HP社は,現時点で同コミュニティに参加していない。

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