米DisplaySearchは,世界TFT LCD市場の設備投資に関する調査結果を10月11日に発表した。TFT LCD装置支出は2004年にピークに達しており,2005年は96億ドルに減少するが,それでも過去2番目に高い数値である。2006年には93億7000万ドルとなり,2007~2008年はさらに落ち込んで2003年レベルに近づく見通し。

 2005年第3四半期の同市場は,好調な需要に部品の供給が追いつかず,大型パネルの一部部品で供給不足が広がった。ただし,アレイ工程ラインをフル稼働と仮定し部材供給を考慮しない場合の生産能力は十分にあり,2005年第4四半期~2006年にかけて余剰状態が続くとみる。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・2005年第2四半期~2008年第2四半期に予定されている設備投資は58件で,そのうち42件はアモルファス・シリコン(a-Si)TFT LCD工場の新設および拡張,16件は低温ポリシリコン(LTPS)TFT LCD工場への投資である

・アクティブ・マトリックスLCD(AMLCD)工場の生産能力は,2000年の450万平方メートルが,2009年には8150万平方メートルに増える見込み。カラー・フィルタの生産能力は,2000年の520万平方メートルが,2009年には9350万平方メートルに増加する

・プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)の生産能力は,2002年の150万平方メートルが,2009年には1420万平方メートルに増える見込み

・メーカー別でみた場合,2006年にTFT LCD装置に最も投資するメーカーは韓国Samsungで投資額は13億ドル(シェア17.9%)となる見込み。2位は台湾AUOの11億ドル(同14.8%),3位は台湾CMOの9億9400万ドル(同13.3%)

◎関連記事
「2005年Q3の大型TFT LCD世界市場,前年同期比46%増の121億ドル規模」,米調査
「世界TFT LCD市場は年内に供給過剰気味に,来年はさらに供給が拡大」,米調査
「世界TFT LCD市場は2004年に97%成長,2005年からは一転減少へ」,米調査
世界TFT LCD装置市場,2004年の支出は「過去最高」
2004年にLCDモニタは販売台数でCRTモニタを上回る――米DisplaySearchが予測
「2004年Q3のLCDモニター世界出荷台数,再びCRTを上回る」,米調査
「2003年Q1のデスクトップ用モニター市場,出荷台数は前期比12%減」と米DisplaySearch
「2004年Q1のLCD TV市場,出荷台数が前年比124%の成長」,米DisplaySearch調査

[発表資料へ]