米IBMをはじめとする大手企業5社が協力して,Webサービス技術をベースとする分散リソース管理手法「Web Services Distributed Management(WSDM)」の相互運用性デモを実施した。XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)が米国時間9月14日に明らかにした。デモは,米メリーランドで開催中のカンファレンス「Enterprise Management World」で行なわれた。

 OASISのWSDM技術委員会が開発した同規格は,Webサービスを利用した管理アプリケーションの構築を可能にするもの。リソースは,単一のインタフェースを通じて多数の管理者によってコントロールできるようになる。また,管理者は,企業内または企業間においてより多くのリソースにアクセスが可能になる。

 「WSDM OASIS InterOp」と名づけられたデモは,米DataPower,米Hewlett-Packard,日立,IBM社,米TIBCOが協力して実施したもの。気象観測所のシナリオで行なわれた。エージェントをベースとする環境において,分散型で協調的な管理を行なうデモが行なわれた。

 デモは,気象観測所のサービスを受けて報告を送信するクライアントを想定して行なわれた。WSDMを導入することにより,管理者は動的に利用可能な気象観測所を見つけてクライアントを割り当てた。メインテナンスなどで利用できない場合には通知を受け取り,利用できる別の観測所にクライアント・アプリケーションを自動的にリダイレクトするが,この間に,クライアントのサービスが遅れたり,途切れたりすることはないことを示した。

 WSDM TC共同議長を務めるIBM社のHeather Kreger氏は,「同デモは,WSDMによってクライアント・アプリケーションが,異種混成環境においてサービスの状況に影響されないようにできることを示したものである。WSDMは,管理情報,アクション情報を利用してビジネス・プロセスを強化し,企業の境界を超えた管理を行なうために利用することもできる」とコメントしている。

◎関連記事
「オートノミックは“プライムタイム”を迎えている」と米IBM幹部
OASIS,Webサービス使った分散リソース管理仕様「WSDM」をOASIS標準に認定
OASISが分散リソース管理手法を検討する技術委員会を設置。「Webサービス技術をベースとする」
米CA,Webサービス監視/管理ソリューション「Unicenter WSDM」をリリース

発表資料へ