中国のAnalysys Internationalは現地時間9月5日に,インターネット検索エンジンに関する調査結果を発表した。中国Baidu(百度)の米株式市場における新規株式公開や,米Googleの中国市場参入などを受け,中国のインターネット検索エンジン市場は競争が激化している。2005年第2四半期は,「Baidu」がシェア37%で首位に立ち,「Google」(シェアは23%),「Yahoo!」(同21%)がそれに続いた。

 Baiduは,地元ユーザーのニーズを把握し,そのニーズに応えるスキルを備える上,資金を確保していることから,今後も優勢を維持する見込み。ただし,Googleの包括的な中国戦略が実を結べば,あらゆる中国ベンダーを脅かす存在になる。

 また,現在は総体的なサービスを提供しているGoogleやBaiduが中国市場で大きなシェアを占めているが,今後,ユーザーのニーズはより分散的かつ専門的になっていくと,Analysys International社は予測する。「専門的な検索エンジンがニッチ市場のユーザーや投資コミュニティの関心を引くようになるだろう」(同社)

 次世代の検索エンジンは,高度なユーザー・インタフェース技術やマルチモーダル・インタラクションを取り入れるなどして,劇的にユーザー体験が向上したものになる見込み。自然言語処理も重要な課題だ。Analysys International社は,「機能強化した次世代検索エンジンが,インターネットでより多くの情報を取得する窓口として,従来のポータル・モデルに対抗する存在になる」とみている。

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