調査内容 主要インテグレーターに対する「存在感」「勢い」のイメージ
調査時期 2009年9月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3215件(1127件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った2009年9月調査で,システム・インテグレーター(SIer)の主要企業45社について「強い存在感がある」「会社に勢いがある」と感じるかを聞いた。

 主要SIerを評価対象として提示する「存在感」「勢い」のイメージ調査は,2008年10月調査以来。今回から評価対象企業リストに富士通,NEC,日立製作所,日本IBM,日本ヒューレット・パッカード(旧EDSジャパンを含む)のコンピューター・メーカー大手を加えた(下の「■調査概要」参照)。

「存在感」で野村総研,新日鉄ソリューションズが大きくダウン

 今回のSIerに対する「存在感」評価では,コンピューター・メーカー大手が上位に割り込んだ。ただし大手メーカーが突出して多くの票を得たわけではなく,むしろ前回よりトップSIerへの「存在感」評価が下がって,メーカー勢に上位を奪われた形である。前回2008年10月調査では野村総合研究所(NRI)が51.1%で首位,2位がNTTデータ(46.8%),3位が大塚商会で32.0%,5位に新日鉄ソリューションズ(NSSOL)が30.9%という水準だった。

 今回の「存在感」評価は,日本IBMが51.3%で45社中唯一50%を超えてトップ,2位~3位はNTTデータ(44.3%)と富士通(44.0%)がほぼ横並びで,約10ポイント・ダウンしたNRIが4位(41.0%),5位は日本HP(35.8%)となった。

 6位~7位には日立製作所(34.7%)と富士ゼロックス(34.6%),8位~9位にキヤノン(キヤノンマーケティングジャパン,キヤノンITソリューションズを含む,29.2%)とNEC(各地域支社,28.9%),10位~11位に伊藤忠テクノソリューションズ(CTC,28.0%)と,約4ポイント・ダウンの大塚商会(27.6%)がそれぞれ並んだ。NEC(営業ビジネスユニット)は23.6%で45社中14位。前回5位のNSSOLは,約11ポイント・ダウンの20.1%で45社中20位に後退した。

 NEC系の国内営業体制の再編で,東名阪地域の中堅企業を担当することになったNECネクサソリューションズへの「存在感」評価は,15.9%で前回(16.5%)と変わらず。富士通グループの中堅企業担当となった富士通ビジネスシステム(FJB)は,約6ポイント・ダウンの17.7%だった。

「勢い」でIIJとオービックが大幅アップ,FJBとNECネクサの評価は変わらず

 「会社に勢いがある」と感じる,と評価された比率では,日本HP(23.9%)がトップで大塚商会が2位(22.9%,前回2008年10月調査では20.1%で4位),3位は前回の11.8%から約10ポイント・アップしたIIJグループ(インターネットイニシアティブ,IIJ-Techなど,22.0%)が浮上した。4位~5位は約9ポイント・アップのオービック(21.5%,前回13.0%)と,キヤノン(21.5%,前回はキヤノンマーケティングジャパンが18.2%)が並んだ。

 前回2008年10月調査のSIerへの「勢い」評価で首位(26.9%)だったNECネッツエスアイが,今回約8ポイント・ダウンながら18.6%で6位。7位~10位には富士ゼロックス(17.8%),NTTデータ(17.6%,前回調査では18.8%),日本IBM(17.3%),リコー(リコーITソリューションズを含む,16.9%)が1ポイント以内の差で入った。前回21.0%で3位のネットワンシステムズは今回16.1%で,NRI(16.2%,前回16.7%)と並んで11位~12位グループとなった。

 コンピューター・メーカー大手ではNEC(営業ビジネスユニット)が13.7%,NEC(各地域支社)が13.4%で25位グループ。富士通も13.2%でNECとほぼ同じ,日立製作所は11.3%で45社中39位だった。

 NECネクサソリューションズの「勢い」評価は14.5%(前回も14.3%)で18位グループ,FJBは12.3%(前回も11.9%)。この両社は今回の営業体制の変更による役割の変化が,「勢い」の評価にはほとんど影響がない,という結果だった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,システム・インテグレーター(SIer)の主要企業45社について,《会社に勢いがある》《強い存在感がある》と感じるかを聞いた。対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とした回答者の数nを100%とした時の比率を使用している。
 2008年10月調査以来ほぼ1年ぶりの実施となったシステム・インテグレーター(SIer)への「接点がある」調査(11月2日付けの記事参照),および本稿の「存在感」と「勢い」,明日以後公開の記事での「利用意向」のイメージ調査では,今回から富士通,NEC,日立製作所,日本IBM,日本ヒューレット・パッカード(旧EDSジャパンを含む)のコンピューター・メーカー大手を評価対象に加えた。前回調査で「勢い」2位評価のパナソニック システムソリューションズ ジャパン(PSSJ)と,「存在感」4位の日本総合研究所は,今回の評価対象企業リストには含まれていない。
 富士通とNECについては,今年(2009年)夏から秋にかけて,国内営業体制の大規模な整理・再編に踏み切ったことを考慮し,NECについては「営業ビジネスユニット」(大手企業担当)と「各地域支社」(東名阪地域以外を担当。東名阪地域の中堅企業を担当する「NECネクサソリューションズ」は従来から本調査の評価対象に含まれている)に分けて評価対象とした。富士通については中堅企業担当の「富士通ビジネスシステム」(FJB)が従来から評価対象であり,大手企業担当の「富士通」を新たに評価対象に追加した。
 調査実施時期は2009年9月中旬~下旬,調査全体の有効回答は3215件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1127件。

図1●主要システム・インテグレータ45社に対するイメージ(「対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=300以上の20社)
図1●主要システム・インテグレータ45社に対するイメージ(「対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=300以上の20社)
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図2●主要システム・インテグレータ45社に対するイメージ(「対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=300未満の25社)
図2●主要システム・インテグレータ45社に対するイメージ(「対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=300未満の25社)
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