調査内容 主要ベンダーに対する「利用したい理由」
調査時期 2009年6月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3211件(1100件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システムの担当者(ITpro Researchモニター登録者)を対象に行った2009年6月調査で,「今後利用したい」という回答を得たベンダーに対する「利用したい理由」(最大3つまで複数回答)を,得票数上位の12社(マイクロソフト,デル,日本ヒューレット・パッカード(HP),NTT東日本/NTT西日本(NTT東西),アドビ システムズ,日本オラクル,NTTコミュニケーションズ(NTTコム),富士通,トレンドマイクロ,NEC,NTTドコモ,日本IBM)について図示した。

ベンダー選定の理由で「コスト」が大幅アップ

 今回の調査では,提示した45ベンダーのうち39社が,30人以上の回答者から「今後利用したい」とされ,「利用したい理由」を1つ以上選ばれた(下の「■調査概要」参照)。この39社に対する「利用したい理由」の単純平均で最も多かったのは,今回も「製品/サービスの機能」の50.8%(前回2008年10月調査では51.6%,2008年7月調査では55.2%,2008年4月調査は56.4%)。前回2008年10月調査から,「機能」をベンダー選択の理由として挙げる回答者の比率がやや低下傾向だが,依然“最大の理由”の座を占めている。

 ベンダー選択の理由の2位は今回も,「過去の導入/利用実績」で41.0%(前回41.7%,前々回44.4%,2008年4月調査は41.0%)。3位には「コスト」(21.6%,前回16.1%,前々回14.7%,2008年4月調査は15.9%)が上昇。前回3位の「ブランドや企業イメージ」は今回20.2%にダウンした(前回24.0%,前々回22.4%,2008年4月調査は24.1%)。IT投資抑制の機運がまん延する中で,ベンダー選択の理由にも「ブランドよりコスト重視」というユーザーの心境が現れている。

 「導入後のサービス(保守,稼働継続)」は今回やや上げて19.1%(前回17.9%,前々回20.1%,2008年4月調査は23.6%)。「提案、業務分析、情報提供」は12.3%にやや低下(前回13.6%,前々回13.8%,2008年4月調査は11.1%),「企業規模や体制」は前回とほぼ同じ12.2%だった(前回12.1%,前々回9.9%,2008年4月調査は10.2%)。

マイクロソフトを利用したい理由は「機能」が「実績」を再逆転

 「今後利用したい」得票数トップ,利用意向率は4位(8月4日付け記事参照)の「マイクロソフト」に対する『利用したい理由』は,「機能」が前回とほぼ同じ58.6%(前回57.9%,前々回65.3%,2008年4月調査は60.6%)で最大。前回「機能」を上回る高率となった「過去の実績」は3.5ポイント減の55.5%で39社中5位(前回59.0%で29社中1位,前々回53.8%,2008年4月調査は51.3%)。再び「機能」が「マイクロソフトを利用したい理由」のトップに戻った。

 ちなみに,今回調査の39社中「利用したい理由」の「過去の導入/利用実績」で最も高率だったのは「エーピーシー・ジャパン(American Power Conversion)」の63.0%(n=73)。約57%で並んだ2位グループの「NEC」,「トレンドマイクロ」,「富士通(Gloviaを含む)」の3社とAPCの間には,約6ポイントの大差が付いた。

 逆に「過去の導入/利用実績」を「利用したい理由」に挙げた回答者の比率が最も低かったのは,利用意向率1位,今回の調査から評価対象ベンダーに加えた「米Google(Google App Engine,Google Apps)」で13.8%(n=80),次いで利用意向率8位の「イー・アクセス(イー・モバイル、アッカ・ネットワークスを含む)」(18.5%,n=54)だった。