調査内容 2009年度のIT予算の前年同期比増減(業種別)
調査時期 2009年3月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3097件(1204件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが3月中旬に,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った調査で,2009年度(2009年4月~2010年3月期)のIT予算の前年同期比(全業種平均は22.9%減,4月13日付け記事参照)を,製造,流通,サービスの業種別(下の「■調査概要」参照)に集計したところ,製造業は平均で37.9%減,サービス業は同14.1%減,流通業は同9.7%減だった。

 4月24日付け記事で紹介した2009年第1四半期(2009年1月~3月)についての回答結果(製造業は前年同期比35.4%減,サービス業22.5%減,流通業14.3%減)と比較すると,サービス業と流通業は減少幅が縮小し,IT投資の削減傾向が一服した感。しかし製造業は1月~3月期よりも2009年度の前年同期比の予算減少率が拡大しており,IT投資への厳しい姿勢が続いている。

 3カ月前に実施した前回2008年12月調査での2009年度についての結果との比較でも,製造業は前年同期比の減少率が約17ポイント拡大。しかし流通業は約2ポイント縮小,サービス業は約1ポイント縮小で,ともに3カ月前の調査とほぼ同じだった。

 製造業の回答の内訳を見ると「90%以上110%以内(ほぼ前年同期なみ)」の比率が前回調査(39.3%)から約16ポイント減。代わって「今年度の50%未満にまで削減」の比率が約12ポイント(前回12.8%→今回24.5%)と,「完全に削減(ゼロになった)」の約10ポイント(前回6.8%→今回16.6%)増えた。「2009年度の予算は前年度の半分に満たない」という回答者の比率が,3カ月でほぼ倍増したことになる。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち,何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に,執行・承認の権限を持つシステム分野の予算を聞いた。新規購入や開発中の案件がなく,年度のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い,減価償却費のみの場合,それらの総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが,自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「IT予算の前年同期比の平均」は,選択式回答(最も近いものを一つ選択)の「完全に削減」を-100%,「前年同期の50%未満にまで削減」を-75%,「50%以上80%未満にまで削減」を-35%,「80%以上90%未満」を-15%,「90%以上110%以内」を0%,「110%超120%以内」を+15%,「120%超150%以内」を+35%,「150%超200%以内」を+75%,「200%超」を+125%,「前年同期の予算はゼロ」を+200%に換算して加重平均した。
 「製造業」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。本文中の「政府・自治体・公共」は「政府/官公庁/自治体/団体」,「教育/研究機関」,「医療機関/介護施設」の合計である。
 「サービス業」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計。なお本調査ではコンピュータ関連業種の回答者にも「自社の業務処理のためのIT投資」について回答することを求めた。
 調査実施時期は2009年3月中旬,調査全体の有効回答は3097件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1204件。

図●来年度(2009年4月~2010年3月)予算総計の今年度比増減率(回答者が執行・承認権限を持つ予算の総額,業種別)
図●来年度(2009年4月~2010年3月)予算総計の今年度比増減率(回答者が執行・承認権限を持つ予算の総額,業種別)


■変更履歴
公開当初は誤って「来年度(2009年4月~2010年3月)予算総計の今年度比増減率」ではなく「2009年第1四半期(2009年1月~3月)の前年同期比増減率」のグラフを掲載していました。お詫びして訂正します。現在のグラフは修正済みのものです。 [2009/06/29 19:10]