調査内容 2009年度予算の前年比増減(予測)
調査時期 2009年3月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3097件(1204件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業の情報システム担当者を対象に行った2009年3月調査では,前回2008年12月調査に続き,2009年度(2009年4月~2010年3月)のIT投資予算の増減率の予測を聞いた。その結果,2009年度予算の前年度比は平均-22.9%で,前回2008年12月調査での予測の平均-14.7%に比べ8.2ポイント低下した。

 ただし,同じ2009年3月調査で聞いた2009年第1四半期予算実績(4月10日付け記事を参照)の,前年同期比平均-25.7%と比べると2.8ポイント上昇しており,IT予算の大幅なカットは2009年第1四半期で底を打つ兆しが見えている。

「前年度並み」が回答の3分の1,「2割以上削減」が合計約40%

 回答の内訳を見ると,「前年度より(10%以上)予算が増加」側の選択肢の合計比率は9.8%で,前回2008年12月調査での10.1%とほとんど変わっていなかった。3カ月前の前回調査と比べて大幅に比率が下がったのは「90%以上110%以内(ほぼ前年同期なみ)」で,前回の46.7%が今回は34.0%にダウンしている。2008年12月時点では「半数弱は“ほぼ前年度並みに投資する”と回答」だったものが,2009年3月には「“前年度並みに投資する”としたのは回答者の約3分の1」に大きく様相が変わった。

 逆に回答の比率が増えたのは,「前年度の50%未満にまで削減」(前回9.5%→今回16.0%)と「完全に削減(ゼロになった)」(前回7.0%→今回11.1%)。この結果,「前年度の50%以上80%未満にまで削減」と「50%未満」と「ゼロになった」の合計比率が,今回の調査では40.4%に上昇した(前回は30.8%)。

 明日以後の記事では,2009年第1四半期と2009年度のIT予算について,分野別の分析,2008年秋の金融危機以前の計画との対比,業種やシステム規模別の分析などを紹介する。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち,何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に,執行・承認の権限を持つシステム予算(年度分)の総計を聞いた。
 新規購入や開発中の案件がなく、年度のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い、減価償却費のみの場合、それらの本四半期分の総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが、自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「IT予算の前年同期比の平均」は,選択式回答の「完全に削減」を-100%,「前年同期の50%未満にまで削減」を-75%,「50%以上80%未満にまで削減」を-35%,「80%以上90%未満」を-15%,「90%以上110%以内」を0%,「110%超120%以内」を+15%,「120%超150%以内」を+35%,「150%超200%以内」を+75%,「200%超」を+125%,「前年同期の予算はゼロ」を+200%に換算して加重平均した。
 調査実施時期は2009年3月中旬,調査全体の有効回答は3097件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1204件。

図●来年度(2009年4月~2010年3月)IT投資予算総計の前年同期比増減率(回答者が執行・承認権限を持つ予算の総額,n=468)
図●来年度(2009年4月~2010年3月)IT投資予算総計の前年同期比増減率(回答者が執行・承認権限を持つ予算の総額,n=468)