調査内容 2009年第1四半期予算の前年比増減
調査時期 2009年3月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3097件(1204件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業の情報システム担当者を対象に行った2009年3月中旬の調査で,2009年第1四半期(1月~3月)の「IT予算の前年同期比」の実績(1Q実績)は,平均-25.7%だった。前回2008年12月調査で聞いた2008年第4四半期(10月~12月)の実績(4Q実績)の平均-17.1%から8.6ポイント低下し,同調査での2009年第1四半期の予測値(1Q予測)平均-18.6%に対しても7.1ポイントのダウンとなっている。

 1Q実績の回答の内訳を,3カ月前の前回調査での4Q実績および1Q予測と比較すると,「前年同期比で(10%以上)予算が増加」側の選択肢の合計比率は9.4%で,前回調査での4Q実績(7.5%)および1Q予測(7.3%)より約2ポイント拡大した。しかし「前年同期比で(10%以上)予算減」側の合計比率が50.9%と過半数を占め,4Q実績(40.5%)より10ポイント以上,1Q予測(43.1%)に対しても8ポイント近く増えている。

「前年同期の半分以下」が回答の3分の1を占める

 特に今回調査の1Q実績では「90%以上110%以内(ほぼ前年同期なみ)」の比率が39.7%で,前回調査での4Q実績,1Q予測より10ポイント以上減少。その分増えたのは「完全に削減(ゼロになった)」(19.4%)で,4Q実績(11.1%),1Q予測(11.6%)より約8ポイントも比率が拡大している。「完全に削減」と「前年同期の50%未満にまで削減」の合計は32.9%で,ほぼ3分の1の回答者が,2009年第1四半期の実績で「前年同期の半分以下に予算を削減した」と回答したことになる。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち,何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に,執行・承認の権限を持つシステム予算(四半期分)の総計を聞いた。
 新規購入や開発中の案件がなく,四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い,減価償却費のみの場合,それらの本四半期分の総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが,自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「IT予算の前年同期比の平均」は,選択式回答の「完全に削減」を-100%,「昨年同期の50%未満にまで削減」を-75%,「50%以上80%未満にまで削減」を-35%,「80%以上90%未満」を-15%,「90%以上110%以内」を0%,「110%超120%以内」を+15%,「120%超150%以内」を+35%,「150%超200%以内」を+75%,「200%超」を+125%,「昨年同期の予算はゼロ」を+200%に換算して加重平均した。
 調査実施時期は2009年3月中旬,調査全体の有効回答は3097件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1204件。

図●最新四半期(2009年1月~3月)IT投資予算総計の前年同期比増減率(回答者が執行・承認権限を持つ予算の総額,n=499)
図●最新四半期(2009年1月~3月)IT投資予算総計の前年同期比増減率(回答者が執行・承認権限を持つ予算の総額,n=499)