調査内容 主要ベンダーに対する利用意向
調査時期 2008年10月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3124件(1247件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った2008年10月調査では,情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業への利用意向を聞いたところ,ベンダーでは「ヴイエムウェア(VMware日本法人)」が「職務で接点がある」とした回答者のうち34.4%から「今後利用したい」と評価され,前回2008年7月調査に続いてトップ。今回も2位以下に6ポイント強の大きな差を付けた。

 SIerに対する「今後利用したい」評価の結果は次週17日の記事で紹介し,続く記事では「今後利用したい」の得票数上位ベンダー/SIerについての,『利用したい理由』の集計結果を報告する。

上位常連のMSとデルに並ぶ「利用意向率」を得た国産ソフト2社

 対象ベンダーのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とした回答者数30以上を得たベンダー66社の中での,「今後利用したい」とした評価の単純平均は19.4%(前回2008年7月調査は対象ベンダーが63社で19.1%,前々回2008年4月調査は62社で19.3%)。各社への回答数(総回答数1万5247件)を乗じた加重平均は21.3%(前回2008年7月調査も21.3%,2008年4月調査は21.8%)。全社の平均値で見ると,「今後利用したい」という評価は今回の調査でもあまり変動していない

 利用意向率の今回の2位は,28.1%~28.3%の間に4社がほぼ横並びの接戦。前回2位(27.5%)だった「マイクロソフト」と,3位と0.1ポイント差で4位(26.8%)だった「デル」が,今回も2位グループに入り安定した高支持率を示している。

 同じ「今後利用したい」評価の2位グループの残り2社は,国産ソフト・ベンダーが占めている。1社は28.3%を得て前回調査の52位(15.0%)から急浮上した「ジャストシステム」。もう1社は,今回の2008年10月調査から評価対象ベンダーのリストに加えた,ネットワーク/セキュリティ管理ツールLanScopeで知られる「エムオーテックス」(MOTEX)である。前回3位(26.9%)の「ウイングアークテクノロジーズ」も,今回は12位に後退したが,スコアは約2ポイント・ダウンの24.6%でさほど落ちてはいない。

無停電電源装置のAPCが初登場で利用意向率10位

 利用意向率の6位は「日本ヒューレット・パッカード」(HP,26.7%,前回は25.3%で6位),7位は「レッドハット」(25.2%,前回は22.4%で17位)と,同率で「アドビシステムズ」(25.2%,前回は24.3%で10位)と,「日本オラクル」(25.2%,前回は23.0%で15位)の3社。前回2008年7月調査では前々回2008年4月調査の利用意向率上位3社(レッドハット,日本オラクル,イー・モバイル)がそろって15位以下に後退したが,今回はこのうち2社が上位10社に復帰した。ちなみに今回も「イー・モバイル」は利用意向率23.4%で16位に止まっている。

 今回のベンダーへの利用意向率の10位(25.0%)は,MOTEXと同じく今回の調査から評価対象に加えた「エーピーシー(American Power Conversion)・ジャパン」が,初登場で食い込んだ。

 今回の「今後利用したい」の得票数上位は,マイクロソフト(266票),デル(209票),NTT東日本/NTT西日本(180票),日本HP(179票),日本オラクル(165票)。マイクロソフトは2007年4月調査から今回調査まで7回連続の得票数トップとなった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業各68社について,《今後利用したい》と感じるかを聞いた。対象ベンダーのビジネス領域に対して「対象ベンダーのビジネス領域と自分の職務領域には接点がある」としている回答者に,現在そのベンダーの製品を使っているかどうかを問わず,「今後利用したい」と感じているかどうかを聞いた。「接点がある」とした回答者の数nを100%として,n=30以上を得たベンダー66社を掲載した。
 今回の2008年10月調査では評価対象ベンダー68社のリストに,「エムオーテックス」「シトリックス・システムズ・ジャパン」「ネオジャパン」「エーピーシー・ジャパン(American Power Conversion)」「アスーステック・コンピューター(ASUSTeK)」の5社を追加。NECアクセステクニカ,日本インフォア・グローバル・ソリューションズ,ブロケード コミュニケーションズ システムズの3社を除外し,日本ユニシスはインテグレータ(SIer)としての評価対象リストに移行。日本ビジネスオブジェクツ(BusinessObjects)は「SAPジャパン」の評価対象の一部とするよう変更した(前回2008年7月調査比)。
 評価対象企業全136社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で近日中に公開する予定。
 調査実施時期は2008年10月中旬~下旬,調査全体の有効回答は3124件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1247件。

図●主要システム関連ベンダー66社に対する「利用希望」(「対象ベンダーのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=30以上)
図●主要システム関連ベンダー66社に対する「利用希望」
「対象ベンダーのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=30以上