調査内容 | 2012年の重点IT投資分野 |
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調査時期 | 2008年9月中旬 |
調査対象 | ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者 |
有効回答 | 3158件(1196件) ( )内は情報システム担当者の有効回答数 |
日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った中短期のIT投資計画調査で,話題の40分野(10月27日付け記事の「■調査概要」を参照)を挙げて4年後の2012年に回答者の企業が重点投資すると見込まれる分野を聞いたところ,「最重点分野」では「基幹システムの再構築(自社開発で)」が前回2008年1月調査(2011年の重点投資分野)に続いてトップで,前回(15.4%)より約2ポイント多い17.1%の回答者が選択した。続いて前回8.2%だった「基幹システムの再構築(パッケージのバージョンアップやリプレース)」が,約3ポイント増の11.3%で2位に上昇。全体としては下の図に示したように,ほぼ「2009年の投資予想額の平均値」(10月27日付け記事参照)と似た順位となっている。
「ERPの改版/入れ替え」の重要度だけが大きくアップ
ちなみに,「最重点分野」と「2番目の重点分野」,「3番目の重点分野」のいずれかに選択された比率の合計で見ると,「情報漏洩対策」(29.3%,前回2008年1月調査では27.6%)がトップ。以下「内部統制:IT全般統制」(27.1%,前回は36.4%で2位の情報漏洩対策に大差を付けてトップだった),「基幹システムの再構築(パッケージのバージョンアップやリプレース)」(25.3%,前回は15.7%で28種中6位),「基幹システムの再構築(自社開発で)」(25.1%,前回は27.4%で3位),「内部統制:業務処理統制」(19.5%,前回は27.0%で4位)までがトップ5だ。
この「最重点~3番目の重点」に支持された合計の比率を前回2008年1月調査と比較すると,最も大幅に増えたのは「基幹システムの再構築(パッケージのバージョンアップやリプレース)」の9.6ポイント増。これに次ぐのは「Windows Server 2008(導入に伴うハードウエアへの投資を含む)」で,今回の合計は8.7%(40種中11位)ながら,前回比3.1ポイント増。以下「NGN(Next Generation Network)対応の通信機器:音声・動画系用途」が2.1ポイント増,「情報漏洩対策」が1.7ポイント増,「シンクライアント」が0.5ポイント増,「SaaS,ASPサービス」が前回と同じ(合計6.1%)だった。
前回調査と比較可能な28種のキーワードの中で,その他の22種はすべて前回2008年1月調査より「最重点~3番目の重点」の合計比率がダウンしている。今回調査から新たに加えた12種のキーワードの中で「グローバルな全社・グループ統合システム(連結会計・生産・物流管理など)」が合計13.7%,「顧客,取引先,投資家向け情報提供用Webサイト(パソコン用)」も同9.0%など高めの支持率を得たことも,前回調査より大半のキーワードへの支持率が低下した一因である。とはいえ3~4年後の重点IT投資分野として,「ERPの改版/入れ替え」の支持率だけがこの8カ月で大きく上昇したことは,今後のIT市場の成長分野を見極める上で重要なヒントになるだろう。
■調査概要
日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者に,ITキーワード40種を挙げて,2009年,2010年,4年後(2012年)の投資意向を聞いた。2007年6月調査で提示した16種,2008年1月調査で追加した12種,今回調査で追加した12種のキーワードの詳細については,10月27日付け記事の「■調査概要」を参照。
今回の調査での「2012年の重点IT投資分野」は,「4年後(2012年)に御社でIT投資の重点になっているであろう分野は,次のうちどれだと予想されますか」という形で,上記のキーワード40種から最重点分野,2番目,3番目の重点分野を一つずつ選択してもらった。
調査実施時期は2008年9月中旬,調査全体の有効回答は3158件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1196件。