調査内容 ブレード・サーバーの必要度(その2)
調査時期 2008年7月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3062件(1126件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システムの担当者(ITpro Researchモニター登録者)を対象に行った2008年7月調査では,各ベンダーがブレード・サーバーで提供している,あるいは近く提供すると予想される機能,メリット,特徴を約40項目挙げ,回答者が現在担当している情報システムにブレード・サーバーを採用する上で,必要と考えるかどうかを聞いた。2回目の今日は,規模,周辺機器,設置条件に関する10項目の結果を紹介する。

 昨日9月2日付け記事で紹介した「5万円以下のブレード」と同じ27.3%で,「必要」という回答の比率のトップに挙がったのが「100V電源で使用できるブレード・シャーシ」。「必要」と「どちらかと言うと必要」の合計の比率では,「5万円以下のブレード」を8ポイント以上上回る67.4%の回答者が支持した。同じく設置条件に関する項目で,「事務スペース設置用のタワー型シャーシ」への支持率は,「必要」と「どちらかと言うと必要」の合計が4割強。「収容枚数4枚以下の小規模ブレード・シャーシ」もほぼ同率だった。これらの項目は,目下各メーカーがブレード・サーバーの新市場として期待している,かつてオフコンを利用していた中小企業や小規模拠点クラス向けの小型ブレード・サーバーが該当するもの。このような小型ブレード・サーバーに,回答者の1割強が「必要」,3割強が「どちらかと言うと必要」と感じていると見てよさそうだ。

データセンター向け大規模ブレード機への支持は低め

 一方,データセンターの総合的な消費電力効率の面で見ると省電力効果が高いとされる「直流電源使用」は,「必要」と「どちらかと言うと必要」の合計が30%に届かなかった。「収容枚数50枚以上の大規模シャーシ」もその比率は25%未満と低い。

 ただし「直流電源使用」は,8月28日付け記事で紹介した「サーバー選定の条件」で,今後のサーバー選定条件に「提供するベンダー/SIerに信頼感がある」を挙げた回答者(n=216)の中では10.2%が「必要」,25.0%が「どちらかと言うと必要」とやや高め。同じく今後の選定条件に「拡張性が高い」を挙げた回答者(n=221)の支持率も比較的高く,「必要」11.8%,「どちらかと言うと必要」22.2%という結果だった。この「ベンダー/SIerの信頼感重視」と「拡張性重視」の回答者は,「収容枚数50枚以上」への支持率も高い。「収容枚数50枚以上」への「必要」と「どちらかと言うと必要」の合計が,「信頼感重視」の回答者(n=227)では31.7%,「拡張性重視」の回答者(n=238)では32.8%を占めた。

 「10Gbイーサネット・スイッチ」は「必要」と「どちらかと言うと必要」の合計の支持率で50%を上回った。「ソフトの入れ替えだけでシン・クライアント(ブレードPC)構成にも使えるサーバー・ブレード」も49.4%の回答者が「必要」ないし「どちらかと言うと必要」と,高い支持を示した。ブレード・サーバーをセンターに設置して仮想化ソフトを導入し,クライアント環境のOSやアプリケーションを実行する「仮想PC型」と呼ばれるシン・クライアントに,かなり関心が高まっていることを裏づける結果と言えそうだ。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,各ベンダーがブレード・サーバーで提供している,あるいは近く提供すると予想される機能,メリット,特徴を約40項目挙げ,回答者が現在担当している情報システムにブレード・サーバーを採用する上で必要と考えるかどうかを聞いた。回答方法は各項目について,「必要」「どちらかと言うと必要」「どちらかと言うと必要ではない」「必要ではない」の四つの選択肢から一つを選択するよう求めた。
 調査実施時期は2008年7月中旬,調査全体の有効回答は3062件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1126件。

図●ブレード・サーバーの持つ機能,メリット,特徴の必要度(その2,規模,周辺機器,設置条件など)
図●ブレード・サーバーの持つ機能,メリット,特徴の必要度(その2,規模,周辺機器,設置条件など)