調査内容 ブレード・サーバーの必要度(その1)
調査時期 2008年7月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3062件(1126件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システムの担当者(ITpro Researchモニター登録者)を対象に行った2008年7月調査では,各ベンダーがブレード・サーバーで提供している,あるいは近く提供すると予想される機能,メリット,特徴を約40項目挙げ,回答者が現在担当している情報システムにブレード・サーバーを採用する上で,必要と考えるかどうかを聞いた。本日から4回に分けて,その結果を紹介していく。初回の今日は,コスト,性能,消費電力関連で提示した11項目に対する回答傾向をまとめた。

 今回提示した全項目の中で,「必要」という回答の比率が最も高かったのは,「1枚(台)5万円以下のサーバー(プロセサ)・ブレード」の27.3%。これは明日の記事で紹介する設置条件関連の1項目と,同率のトップだった。それらに次ぐのが「1ユニット25万円以下のブレード・シャーシ」の22.9%,「1枚(台)10万円以下のサーバー(プロセサ)・ブレード」の21.8%。全てのメリットや特徴の中でもまず「低価格」への要求が高いことが示された。

「どちらかと言うと…」の要求レベルでは省電力性がコストを上回る

 「必要」という回答の比率が全項目の中で5番目に高かったのは「消費電力が現在使用中のサーバーと同等の性能(容量)に換算して50%以上少ないブレード・サーバー」の21.2%。コスト関連の項目と同レベルの支持を集めた。

 特に「必要」と「どちらかと言うと必要」の合計の比率で見ると,「5万円以下のブレード」「10万円以下のブレード」が約59%だったのに対し,この「50%以上の省電力性」が62.8%,「20%以上の省電力性」も62.5%で,コスト関連の項目を上回っている。

 これらと対照的に,「ブレード・サーバーを採用する上で必要」な条件として,性能関連の各項目は支持率が低めだった。標準的な「2プロセサ・ソケットを持つサーバー・ブレード」には約19%の回答者が「必要」とし,「どちらかと言うと必要」との合計で55.3%の支持を得たものの,「4ソケット」は「必要」と「どちらかと言うと必要」の合計が約46%。「8コア以上」や「半導体ディスク内蔵」「RISCやIA64プロセサ搭載」は回答者の30~35%程度が「必要」ないし「どちらかと言うと必要」とするにとどまった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,各ベンダーがブレード・サーバーで提供している,あるいは近く提供すると予想される機能,メリット,特徴を約40項目挙げ,回答者が現在担当している情報システムにブレード・サーバーを採用する上で必要と考えるかどうかを聞いた。回答方法は各項目について,「必要」「どちらかと言うと必要」「どちらかと言うと必要ではない」「必要ではない」の四つの選択肢から一つを選択するよう求めた。
 調査実施時期は2008年7月中旬,調査全体の有効回答は3062件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1126件。

図●ブレード・サーバーの持つ機能,メリット,特徴の必要度(その1,コスト,性能,消費電力関連)
図●ブレード・サーバーの持つ機能,メリット,特徴の必要度(その1,コスト,性能,消費電力関連)