調査内容 2008年第2四半期のIT予算額
調査時期 2008年6月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3163件(1207件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが行った企業情報システム担当者調査で,回答者が執行・承認権限を持つ2008年4月~6月四半期のIT予算規模を聞いたところ,「平均の予算額(四半期予算平均額INDEX)」(算出方法は下の「調査概要」参照)は約3440万円。前回2008年3月調査(2008年1月~3月期)の約3970万円に対して約13%減,1年前の2007年6月調査(2007年4月~6月期)の約4430万円に対しては約22%減だった。

 「3000万円以上5000万円未満」「5000万円以上1億円未満」「1億円以上3億円未満」「3億円以上」を合わせた“高額予算”を持つ回答者の比率は今回19.4%で,前回調査(2008年1月~3月期)の21.2%から約2ポイント,1年前の2007年6月調査(2007年4月~6月期)の25.1%から約6ポイントの大幅な低下となっている。

利用者規模300人以上のシステムの予算額が低下傾向

 ちなみに,回答者の担当しているシステムの利用者規模で見ると,今回調査は,前回2008年3月調査,1年前の2007年6月調査と,ほぼ比率は同じ(今回は大規模31.4%,中規模19.8%,小規模48.2%。前回は順に31.7%,19.3%,48.0%。1年前の調査は30.3%,20.9%,30.3%)。システム規模の大きな回答者の比率が低下したわけではない。

 図示していないが,今回調査での四半期予算平均額をシステム利用者規模別に集計したところ,小規模(利用者300人未満)は平均約710万円,中規模(同300人以上1000人未満)は約1850万円,大規模(同1000人以上)が約7470万円。これを前回調査と比較すると,小規模の予算平均額は約3割増加しているのに対し,中規模と大規模は約2割減。1年前の調査との比較でも,中規模と大規模は約2割減(小規模も約3割減)だった。中規模以上のシステムの予算枠が低下傾向ということになる。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち,何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に,執行・承認の権限を持つシステム予算(四半期分)の総計を聞いた。
 新規購入や開発中の案件がなく、四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い、減価償却費のみの場合、それらの本四半期分の総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが、自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「平均の予算額(四半期予算平均額INDEX)」は,選択式(最も近いものを1つ選ぶよう求めた)回答の,「本四半期はゼロ」を0,「100万円未満」を50万円,「100万円以上300万円未満」を200万円,「300万円以上1000万円未満」を650万円,「1000万円以上3000万円未満」を2000万円,「3000万円以上5000万円未満」を4000万円,「5000万円以上1億円未満」を7500万円,「1億円以上3億円未満」を2億円,「3億円以上」を4億円に換算して平均した。
 なお,初回の2006年9月調査(2006年7月~9月期)は,調査の対象が「全社情報システムの担当者」のみで,選択肢の上限が「3000万円以上」だった。
 調査実施時期は2008年6月中旬,調査全体の有効回答は3163件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1207件。

図●最新四半期(2008年4月~6月)のIT投資予算の平均値(回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲の総額,n=449)