調査内容 IT関連キーワードの認知度・業務への影響・利用状況
調査時期 2007年7月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2026件(794件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスでは,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,最新あるいは注目のIT関連キーワードを毎月三つずつ挙げて,その認知度,業務への影響と利用の状況について聞いている。2007年7月調査では,「SLA(サービス・レベル・アグリーメント)」「ESB(エンタープライズ・サービス・バス)」「UTM (統合脅威管理:Unified Threat Management)」を取り上げた。

 「SLA」はさすがに企業情報システムの担当者には常識だったか,認知度,業務への影響,利用状況とも過去最高に近いスコアを記録。「業務に通用する十分な知識がある」は歴代トップの16.6%,「自分の業務と深い関わりがある」(45.1%)は2006年9月調査の「日本版SOX法」,2006年11月調査の「Windows Vista」に次ぐ歴代3位。「全社的に運用されている」(10.5%),「一部の部門,業務で運用されている」(21.2%)も高率で,応用/利用状況スコアは「KM(ナレッジ・マネジメント)」(2006年10月調査)に次ぐ歴代2位だった。

 KMと同じ2006年10月調査で取り上げた「SOA(サービス指向アーキテクチャ)」は,認知度,業務への影響,利用状況のどのスコアでも,これまでの本調査で登場したキーワードの中でちょうど中位に位置している。しかし,SOAの実践に重要な役割を果たすと期待されている「ESB」は,まだ知名度不足の段階。「業務に通用する十分な知識がある」「内容をある程度理解している」を合計してやっと10.7%,「聞いたことがない」が66.3%で過去最大で,認知度スコアは歴代最下位だった。

 しかし,業務への影響の側面では比較的有望視されている。「自分の業務と深い関わりがある」は14.8%で最下位グループだが,「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」が62.0%で,「Web2.0」「モバイル・セントレックス」(ともに2006年9月調査)に次ぐ歴代3位に食い込んだ。

 ファイアウォール,IPS(侵入防御システム),ウイルス対策,Webフィルタリングなどの機能を1システムに統合して,セキュリティ上の多様かつ複合的な脅威に対抗する「UTM (統合脅威管理:Unified Threat Management)」。製品分野の呼称としては「マルチセキュリティ・アプライアンス」の方がなじんでいるかもしれない。

 今回は「UTM」で聞いたところ,認知度スコア,利用状況スコアはこれまでの本調査で登場したキーワードの中で中位クラス。しかし業務への影響スコアは「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」がやや多かった(56.3%)のが効いて,「Web2.0」や「仮想化ソフト」(2007年2月調査)と肩を並べる上位クラスに入った。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,IT関連の最近のキーワードの認知度,自身の業務への影響をどう見ているか,回答者の所属組織での利用状況を聞いた。
 「認知度」は四択の質問で「業務に通用する十分な知識がある」を5,「内容をある程度理解している」を3.67,「名前だけは聞いたことがある」を2.33,「聞いたことがない」を1点にスコア換算した。
 同様に「業務への影響」は三択で「自分の業務と深い関わりがある」を5,「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」を3,「自分の業務には関係ない」を1点に換算。
 「応用/利用状況」は五択で「全社的に運用されている」を5,「一部の部門,業務で運用されている」を4,「一部の部門,業務で試験的に運用されている」を3,「導入を計画している」を2,「導入/利用計画はまだ具体化していない」を1点に換算した。
 調査実施時期は2007年7月中旬,調査全体の有効回答は2026件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は794件。

図1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度・業務への影響・利用状況

図2-1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度

図2-2●情報システム担当者の最新キーワードの業務への影響

図2-3●情報システム担当者の最新キーワードの利用状況