日経マーケット・アクセスが今秋から開始した企業情報システム担当者への調査では,最新あるいは注目のIT関連キーワードを毎月三つずつ挙げて,その認知度,業務への影響と利用の状況について聞いていく。初回の2006年9月調査では,「日本版SOX法」,「Web2.0」,「モバイル・セントレックス」を取り上げた。

 「日本版SOX法」は認知度,業務への影響ともに高い。「業務に通用する十分な知識がある」は10%弱だが「ある程度理解している」が約67%で,合わせると約4分の3の回答者が認知。「自分の業務と深い関わりがある」が60.5%に達した。しかし応用/利用状況は「全社的に運用されている」が8.1%,「一部の部門,業務で運用」,「一部の部門,業務で試験的に運用」をあわせても約2割という結果だった。

 メディアで急激に言葉が広まったが,定義がややあいまいで“何でもあり”の感のある「Web2.0」と,製品出荷が始まり市場が立ち上がりだした「モバイル・セントレックス」は,面白いことに同じような回答傾向となった。

 ともに「業務に通用する知識がある」は5%に満たないが,「ある程度理解している」は45%前後,「自分の業務に深く関わる」が約2割で「将来関係するかもしれない」が7割弱と,ほぼ同じ比率で並んだ。やや違いが出たのが応用/利用状況で,「全社的に運用」「部門,業務で運用」はともにごくわずかだが,「一部の部門,業務で試験的に運用」は「Web2.0」が13.3%で,「モバイル・セントレックス」の約2倍。回答者の約15%が「企業でWeb2.0利用に具体的に動き出している」としたことになる。

◆注
 調査実施時期は9月中旬,調査全体の有効回答は377件,本設問の有効回答は353件。
 「認知度」は四択の質問で「業務に通用する十分な知識がある」を4,「内容をある程度理解している」を3,「名前だけは聞いたことがある」を2,「聞いたことがない」を1点にスコア換算した。同様に「業務への影響」は三択で「自分の業務と深い関わりがある」を4,「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」を3,「自分の業務には関係ない」を2点。「応用/利用状況」は四択で「全社的に運用されている」を4,「一部の部門,業務で運用されている」を3,「一部の部門,業務で試験的に運用されている」を2,「導入を計画している」を1点に換算した。

図1●最新キーワードの認知度・業務への影響・利用状況

図2●最新キーワードの認知度

図3●最新キーワードの業務への影響

図4●最新キーワードの利用状況