写真●iStorage M5000の外観
写真●iStorage M5000の外観
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 NECは2014年4月15日、ミッドレンジからハイレンジをカバーするSANストレージ「iStorage Mシリーズ」の最上位モデル「iStorage M5000」(写真)を発表、同日販売を開始した。2014年4月25日に出荷する。既存の下位モデル「M700」と比べてコントローラー数を2倍の4台に増やして可用性を高めたほか、性能を約2倍に高めた。価格(税別)は、2194万円から。

 iStorage M5000は、NECブランドのストレージとしては最もハイエンドに当たる、ミッドハイレンジのSANストレージである(NECでは米EMC製品も販売している)。これまでハイエンドモデルだったM700の上位モデルという位置付けとなる(関連記事:NEC、性能の高さをうたう最大2.2PBのSANストレージを販売)。M700と比べて、SAN接続ポート数は1.33倍となる最大64ポートを搭載し、ディスク数は1.6倍となる最大1536台(容量は2.5型で最大1389.7Tバイト)を搭載する。

 M5000は、M700と比較して、可用性と性能を大きく高めた。可用性では、コントローラーの台数をM700の2倍となる4台構成とした。電源は8個搭載する。これにより、コントローラーに障害が発生した場合にもストレージの処理性能を低下させずに済むとしている。一方、性能では、コントローラー4台構成に加えて内部バス(SAS)の速度をM700の2倍となる12Gビット/秒とすることで、処理性能を約2倍に高めた。

 M5000ではまた、1次SANストレージであるiStorage Mシリーズとしては初めて、遠隔レプリケーション機能を搭載した。拠点に設置したM5000同士の間で、データを複製できる。従来、遠隔レプリケーション機能は、データバックアップ用のNASストレージ製品「iStorage HSシリーズ(HYDRAStor)」に限って利用できていた(関連記事:NEC、ハイブリッドノードで効率を高めたデータバックアップ用NASの新機種)。今回、M5000でも遠隔レプリケーション機能を利用できるようにした。

 なお、iStorage Mシリーズは、別途NASヘッドを追加することで、NASとしても利用できる(関連記事:NEC、SANストレージ「iStorage M」向けにNASヘッドを初めて製品化)。