日本の会計基準設定主体であるASBJ(企業会計基準委員会)は2014年2月3日、「IFRSのエンドースメントに関する作業部会」の第8回会議を開催した。同部会は日本版IFRS(国際会計基準)、J-IFRSなどと呼ばれる「エンドースメントされたIFRS」の策定に向けて議論しており、今回は半年にわたる議論を整理した上で今後の作業の方向性を示した。「リサイクリング/当期純利益」や「のれんの非償却」に関わる項目についての議論を中心としていく見込みだ。

開示関連は「削除/修正、ガイダンスはなし」を提案

 エンドースメントされたIFRSは、IFRSそのもの(ピュアIFRS)を構成する基準一つひとつを検討し、必要に応じて削除または修正したものを指す。金融庁が2013年6月19日に公表した報告書「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」でIFRS任意適用促進策の一つとして示した(関連記事:「強制適用の判断見送り、我が国に適したIFRS策定」、金融庁が報告書)。

 ASBJの作業部会は2014年秋の作業完了を目標として、第1回会議を2013年8月27日に開催(関連記事:「J-IFRS」の策定作業開始、IFRSと日本基準を比較し検討項目を洗い出し)。以後、月1回のペースで会議を実施している(関連記事:J-IFRS策定作業の2回目会議が開催、「従業員給付」や「のれん」に意見J-IFRSの策定作業3回目、連結の会計処理に議論集中J-IFRS策定の4回目会合開催、適用初年度の企業負担に指摘)。第5回会議からは、洗い出した検討項目への対応方針を議論している(関連記事:「今後の議論は難しくなる」、J-IFRS策定の会合6回目開催)。