日本の会計基準を策定しているASBJ(企業会計基準委員会)は2013年9月12日、「IFRS(国際会計基準)のエンドースメントに関する作業部会」の第2回会議を開催した。8月に開催された前回に引き続き、日本の会計基準とIFRSの差異が大きい項目について洗い出す作業を実施。日本の会計基準と基本的な考え方が異なる「従業員給付」や「のれん」に関する会計処理などについて、日本基準とIFRSとの差異の有無や考え方の相違について意見が相次いだ(関連記事:「J-IFRS」の策定作業開始、IFRSと日本基準を比較し検討項目を洗い出し)。

 IFRSのエンドースメントに関する作業部会は、日本企業がIFRSを採用しやすい「エンドースメントされたIFRS」を策定するために2013年8月に発足。IFRSの設定主体であるIASB(国際会計基準審議会)が策定したIFRSを「ピュアIFRS」とし、ピュアIFRSを構成する各項目について、「日本基準と考え方に差異が大きいか」「実務上、採用するのが困難ではないか」「ほかの制度との関係で日本企業が採用しにくくないか」といった観点から両者の差異を検討している。「エンドースメントされたIFRS」は、「日本版IFRS(国際会計基準)」や「J-IFRS」とも呼ばれている。

 第2回の作業部会では、IAS(IFRSの前進となる国際会計基準)やIFRS、IFRIC(IFRSの解釈指針)などを構成する項目のうち、IFRS5(売却目的で保有する非流動資産および非継続事業)、IAS19(従業員給付)、IAS37(引当金、偶発債務および偶発資産)、IAS1(財務諸表の表示)、IAS10(後発事象)、IFRS3(企業結合)について、「検討が必要な項目の候補」となりそうな項目である*(アスタリスク)」がついた。*はIFRSと日本の会計基準を「基本的な考え方」「実務上の困難さ」「制度との関連」の観点で比較し、差異が大きいと考えられる場合に付く。