ネットワールドは2013年6月25日、社員数に合わせてシステム構成をサイジング済みとしたオールインワン型のデスクトップ仮想化(VDI)システム「Networld VDX」のラインアップを拡充し、既存の500人向けに加えて、新たに1000人向けの「Networld VDX for 1000 VDI」を発表、同日販売を開始した。同時に、ストレージの選択肢を広げ、既存の米NetApp製のほかに米EMC製を選べるようにした。

 Networld VDXは、社員数(デスクトップOSの利用者数)に合わせてシステム構成をサイジング済み/検証済みとしたVDIシステムである(関連記事:ネットワールド、500人向けに性能検証済みの仮想デスクトップ環境をパッケージ化)。サーバー/ストレージなどのハードウエアや、VDIソフト「VMware Horizon View」、デスクトップOSとなるWindows 7のライセンスなど、デスクトップ仮想化に必要な要素をパッケージ化している。

 特徴は、実際にネットワールドが負荷テストツールを用いて性能を検証し、システム構成をサイジングしていることである。VDI環境向けの負荷テストツール「Login VSI Pro」(関連記事:ネットワールド、仮想デスクトップの負荷テストツールを発表)を使っている。Login VSIが用意している7種類のテンプレートの一つで、中庸なユーザーを想定した「ミディアムユーザー」の使い方で、社員500人向けと社員1000人向けにサイジングしている。

ラインアップを拡充、500人/1000人を選択、NetApp/EMCを選択

 製品の定価(税別)は、以下の通り(保守料を含まず、3年間分のWindows 7のライセンスを含む)。(1)社員1000人向けのNetworld VDX for 1000 VDIは、ストレージのベンダーを問わず、1億2800万円(1デスクトップ当たり12万8000円)。(2)社員500人向けのNetworld VDX for 500 VDIは、ストレージに米NetApp製を選ぶと7520万円(1デスクトップ当たり15万400円)、米EMC製を選ぶと7340万円(1デスクトップ当たり14万6800円)。

 なお、Networld VDXは、第一弾となる500人向けのNetworld VDX for 500 VDIを2012年11月から販売している。この第一弾の製品は、利用者数が500人に限定されているほか、ストレージは米NetApp製に限定されていた。今回、Networld VDXのラインアップを拡充し、ストレージとして米EMC製も選べるようにしたほか、利用人数1000人向けの製品を追加した。

 システムの具体的な構成要素は、以下の通り。PCサーバーは米Cisco SysttemsのCisco Unified Computing System(UCS)、スイッチは米Cisco SystemsのCisco Nexus。ストレージは、米NetAppのNetApp FASまたは米EMCのEMC VNX。VDIソフトは米VMwareのVMware Horizon View。デスクトップOSはWindows 7(Microsoft VDA)を組み合わせた。

 このほか、VDIのストレージI/Oを削減するアクセラレータ製品「Atlantis ILIO」(関連記事:ネットワールドがVDIを高速化する製品を年内出荷、ストレージI/Oを1/10に)、VDIシステムのマイグレーションおよび移行後の性能評価ソフト「Liquidware Labs Essentials」(関連記事:ネットワールド、仮想デスクトップ環境(VDI)への移行ツールを提供開始)、Networld VDXのサイジングにも利用している負荷テストソフトのLogin VSI Pro、などを提供する。

Networld VDXの概要
サーバーCisco Unified Computing System(米Cisco Systems)
スイッチCisco Nexus(米Cisco Systems)
ストレージNetApp(米NetApp)EMC VNX(米EMC)
VDI高速化ソフトAtlantis ILIO(米Atlantis Computing)
VDI基本ソフトVMware Horizon View(米VMware)
VDI移行ソフトProfile Unity(米Liquidware Labs)
VDI性能評価ソフトStratusphere UX(米Liquidware Labs)
VDI負荷テストソフトLogin VSI Pro(オランダのLogin Consultants)