米Red Hatは米国時間2009年11月3日,企業向けの仮想化サーバー/クラウド環境管理ソフトウエア「Red Hat Enterprise Virtualization for Servers」の提供を開始した。LinuxサーバーとWindowsサーバーの混在する,小規模な仮想化環境から大規模なクラウド環境までを包括的に管理できる。

 Red Hat Enterprise Virtualization for Serversは,仮想化ソフトウエア「Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor」とサーバー管理ソフトウエア「Red Hat Enterprise Virtualization Manager for Servers」で構成するスイート製品。仮想化Linux/Windowsサーバーと「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」サーバーの両方を一括して管理することが可能。仮想マシンの動作を止めることなく別の物理サーバーに移行させるライブ・マイグレーションが行えるほか,スケジューリング/消費電力管理/イメージ管理/スナップショットといった機能を備える(関連記事:Red Hat,企業向け仮想化市場の包括的カバーを狙うスイート製品)。

 Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisorは,カーネル・ベース仮想マシン(KVM)技術を採用しており,負荷の軽い仮想化環境を構築できるという(関連記事:Red Hat,KVMプロジェクトのQumranetを1億700万ドルで買収)。Red Hatは,サーバー向けLinuxディストリビューションの最新版「RHEL 5.4」でもKVMを使っている(関連記事:Red Hat Enterprise Linux 5.4提供開始,仮想マシンにKVMを正式採用)。

 なお,現在Red Hatは仮想化デスクトップ管理ソフトウエア「Red Hat Enterprise Virtualization for Desktops」を限定ベータ提供中。2010年初めに正式リリースする予定。

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