米Red Hatは米国時間2008年9月4日,オープンソースの「Kernel Virtual Machine(KVM)」プロジェクトを進める米Qumranetの買収を明らかにした。買収総額は約1億700万ドルで,Red Hatはこれを現金で支払った。

 KVMは,1台のマシンでLinuxと他のOS(ゲストOS)を協調稼働できるように制御するソフト。Linuxカーネルの仮想化機能として採用されている。

 Red Hat社長兼CEOのJim Whitehurst氏は,QumranetのKVMと仮想デスクトップ・インフラ(VDI)技術を次世代仮想化分野の中核としてとらえており,「オープンソースとプロプライエタリなソフトウエアとの距離をいっそう縮めることができる」と述べている。

 Red Hatは,Qumranetの技術と,Qumranet製品の開発/テスト/サポートを手がける専門家,およびKVMプロジェクトのリーダーを獲得することになる。これにより,総合的な仮想化技術と管理手段を,LinuxやWindows環境でサーバーからデスクトップにわたって広めるとい取り組みを促進する。「OSと連携した包括的なソリューションを提供することで,ITコストを引き下げるとともに,ITインフラの柔軟性と応答性を強化できる」(同社)。

 Qumranet買収による業績面での最初の成果は,2010会計年度(2009年3月~2010年2月)に現れる見込み。Red Hatは最大で2000万ドルの増収を期待している。

[発表資料へ]