米Microsoftは米国時間2008年5月21日,「2007 Microsoft Office system」でオフィス・アプリケーション向けファイル形式「OpenDocument Format(ODF)」に対応する計画を発表した。

 2009年上半期にリリースする予定のOffice 2007用サービスパック「Service Pack 2(SP2)」で,OASIS標準/ISO標準のODF v1.1に加え,同社の「XML Paper Specification(XPS)」(関連記事:「XPS」とは),米Adobe Systemsの「Portable Document Format(PDF)1.5」「PDF for Archive(PDF/A)」(関連記事:Adobe,「PDF」仕様全体のISO標準化に向けた作業を開始)といった形式に対応させる。これにより,Office 2007でODF形式の文書ファイルをオープン/編集/保存することと,XPS/PDF形式での保存が行えるようになる。Office 2007の標準ファイル形式としてODFを選ぶことも可能。

 旧製品「Office XP」「Office 2003」でODF形式の文書を扱えるようにするため,Microsoftは独自形式のOpen XML文書とODF文書間の変換ツールも引き続き提供していく(関連記事:Microsoft,文書ファイル形式の相互接続性確保に向けた会議を世界各地で開催MS OfficeファイルとODF文書の変換を可能にするプラグイン公開)。

 また,同社は積極的にOpen XML/ODF/XPS/PDF仕様の標準化作業に取り組む。ODF仕様を策定した標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)の技術委員会に加わって次期仕様を検討するとともに,同仕様を管理しているISO(国際標準化機構)/IEC(国際電気標準会議)のワーキング・グループにも参加する。PDFおよびXPS,Open XML,視覚障害者向け規格「Digital Accessible Information System(DAISY)XML」(関連記事:Microsoft,Open XML形式文書を視覚障害者向けに変換するアドインを提供開始)の標準化/推進活動にも協力していく。

 中国政府の採用している文書ファイル・フォーマットUnified Office Format(UOF)とOpen XML間の変換ツール提供も継続する(関連記事:Microsoft,中国の文書形式UOFとOpen XML間の変換ツール開発を支援)。

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