米Microsoftは,オフィス・アプリケーション向け文書ファイル・フォーマットEcma Open XMLと中国政府の採用している文書ファイル・フォーマットUnified Office Format(UOF)間の変換ツールを開発するオープンソース・プロジェクト「UOF SourceForge」に対し,資金を提供する。Microsoftが米国時間5月20日に明らかにしたもの。

 Ecma Open XMLは,Microsoftのオフィス・アプリケーション向け標準ファイル形式「Office Open XML(OOXML)」をベースにしたもので,国際的な標準化組織Ecma Internationalが2006年12月にEcma標準(Ecma standard)「Ecma-376」として承認(関連記事)。2007年4月に,ISO(国際標準化機構)の国際標準化に向けたプロセスが始まっている(関連記事1関連記事2)。

 UOFとEcma Open XML用の変換ツールは,「Microsoft Office Word 2003」「同2007」用アドインの形態をとる。オープンソース・ソフトウエアとし,無償ダウンロード提供する予定。

 同ツールの開発は,中国の独立系ソフトウエア・ベンダーと北京航空航天大学,北京信息科技大学(BITI),清華大学,中国Lenovo Group(聯想集団)傘下の中国Litsoftが担当する。プレビュー版を今夏,最終版を2008年の早い時期に利用可能とする。

 米メディア(InfoWorld)によると,UOFの仕様策定はChinese Office Software Work Group(COSWG)と中国政府の情報産業部(MII)が主導し,オープンソース・オフィス・スイート「OpenOffice.org」から派生した中国向けの「RedOffice」などが採用しているという。

 またMicrosoftは,オープンソースの文書ファイル・フォーマットOpenDocument Format(ODF)と「Microsoft Office Excel」「同PowerPoint」用の変換ツールのベータ版を公開した。SourceForge.netのWebサイトから無償でダウンロードできる。

 ODFは,XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)が標準仕様として承認したもの(関連記事)。OpenDocument/ODFはISO標準にもなっており,OpenOffice.orgや米Sun Microsystemsの「StarOffice」,KDEプロジェクトの「KOffice」,米IBMの「Workplace」などが採用している(関連記事)。

 ODFとExcel/PowerPoint用の変換ツールは,「Office 2003」「同2007」のExcel/PowerPointで利用できる。対応OSはWindows XP。なおMicrosoftは,既に「Word」用の変換ツールを公開している(関連記事)。

 米メディア(CNET News.com)によると,Excel/PowerPoint用変換ツールは2007年中に完成する予定という。

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