NECが中国市場におけるRFIDソリューション事業を本格化させる。同社とNEC信息系統(中国)有限公司(NECソリューションズ(中国))は3月25日,企業システムに組み込むRFID(無線IC)タグの読み取り精度検証などを行う「中国RFIDイノベーションセンター」を開設したと発表した。

 センターの設置場所は,提携先である上海・同済大学の嘉定キャンパス。ユーザー企業ごとに模擬的なシステム環境をセンター内に構築し,RFIDの導入検証を行えるようにしたことが特徴という。

 具体的には,工場や物流倉庫における製品・材料の入出庫・検品・自動仕分け,店舗における商品在庫の管理,といった利用状況を想定した設備を用意。RFIDタグの貼付,リーダー/ライターの設置場所の最適化,読み取りの精度や利用可能範囲の検証のほか,ユーザー企業がシステムを導入する前の動作確認や,導入後の性能改善などのサポートも実施する。

 NECは中国におけるRFID市場の規模を,2010年に約1000億円と見込む。その背景には,中国企業がかかわるグローバル・ビジネスの広がり,あるいは,それに伴うSCM(サプライチェーン・マネジメント)やトレーサビリティ・システムへの需要拡大がある。

 NECソリューションズ(中国)は今回開設したセンターを軸に,営業・システム構築・サポートの体制を整備するとともに,現地のSI企業と連携。今後3年間でSCMなどの基幹システム構築を含むRFID関連ソリューションを300社に販売するという。これにより,グループ全体で売り上げ2000億円を目指す。


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