欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2008年2月27日,台湾Acerがオランダに本拠を置くPackard Bellを獲得することを認可した。欧州経済地域における効果的な競争に大きな影響を与える恐れがないと判断したため。

 Acerはパソコンのほか,サーバーやストレージ機器,LCDモニターや高解像度テレビなどを手がけている。昨年米Gatewayを買収し(関連記事:Acer,Gatewayを約7億1000万ドルで買収へ),世界パソコン市場での成長がめざましい(関連記事:2007年のパソコン世界出荷台数は前年比13.4%増,首位はHP)。

 一方,欧州で個人向けパソコン事業を展開しているPackard Bellは,もともとNECの100%子会社だった。NECは2006年に,旧e-Machinesの共同設立者であるJohn Hui氏(PB Holdings)に同社を売却。2007年10月にGatewayが同社を買収していた(GatewayがPackard Bell買収へ,親会社の全株式取得で株主と合意)。なおPackard Bellについては,中国Lenovo Group(聯想集団)も買収に関心を示していた(関連記事:Lenovo,Packard Bellの買収に関する「了解覚書(MOU)」に署名)。

 ECは,AcerとPackard Bellの両社が,企業および個人向けデスクトップ・パソコンとノート・パソコン市場で事業を展開しているものの,同市場には米Hewlett-Packard(HP),米Dell,富士通とドイツSiemensの合弁子会社Fujitsu Siemens Computer,東芝,ソニー,Lenovoなど,有力ブランドが多数あるため,買収後も健全な競争市場が存続するとしている。

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