台湾のAcerは現地時間8月27日に,米Gatewayを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。両社合わせた年間の売上高は150億ドル超,パソコン出荷台数は2000万台以上という。

 合意条件のもと,AcerはGatewayの発行済み株式を1株あたり1.90ドルで買い取る。買収総額は約7億1000万ドルにのぼる見込み。当買収提案については両社役員会が承認済みで,取引は年内に完了する予定。

 Acer会長のJ.T. Wang氏は,「Gatewayを買収し,米国のプレゼンスを強化することで,当社は世界的地歩を確立することになる。すでに欧州とアジアで足場を固めている当社にとって,Gatewayが加わるのはすばらしいことだ」と述べた。

 AcerはGateway買収により,1億5000万ドル以上のコスト削減効果を期待している。

 またGatewayは同日,欧州で個人向けパソコン事業を展開しているPackard Bellの親会社PB Holdingを買収する意向を明らかにした。PB Holdingの全株式取得に向け,株主のJohn Hui氏に対してRight of First Refusal(先買権)を行使する。Hui氏は,Gatewayが2004年3月に買収した米e-Machinesの創設者である。

 Packard BellはもともとNECの100%子会社で,現在はフランスのパリに本拠を置いている。NECは2006年に,同社をHui氏に売却した。

 ちなみにPackard Bellについては,中国Lenovo Group(聯想集団)が買収に意欲を見せており,「Packard Bell買収に関して第三者と了解覚書(MOU:Memorandum of Understanding)に署名した」と8月7日に発表している(関連記事)。

 さらにGatewayは現在,米国における企業向け部門の売却を検討中で,第三者と交渉に入っているという。

[発表資料(Acerのプレス・リリース)]
[発表資料(Gatewayのプレス・リリース)]