2012年6月20日に、“あってはならない”事件が起こった。ヤフーの子会社でレンタルサーバー事業を営むファーストサーバにおいて、サーバーを利用する一部顧客のデータがすべて消失してしまった、あの事故だ。被害を受けた企業は約5700社(契約数)に上る。「利用企業のデータ消失」という最悪の事態は、IaaSなどのクラウドサービスに対する信頼をも揺るがしかねない問題となった。2012年のクラウド分野におけるアクセスランキングの上位には、ファーストサーバ関連の記事がずらりと並んだ。
事故原因については、ランキングトップの『ファーストサーバ最終報告書、ベテラン担当者のマニュアル無視を黙認』で詳細に解説している。これを教訓にデータセンター側で事故防止に努めてほしいのはもちろん、利用者側もクラウドのリスクをよく理解し、独自のデータバックアップや障害時手続きなどの対策を打っておかなければならない。
こうした事故に不安を覚える一方で、クラウドサービスは私たちの仕事や生活に浸透し続けている。ランキング6位の『やりかけの仕事を自宅で続ける方法』や19位の『クラウドのこちら側で』は、記者の眼からその現状を述べた記事である。ユーザーが自宅、会社、外出先のどこにいても、それぞれの場所で複数の異なるPC/モバイル端末を使っていても、オンラインストレージやGmailなどのクラウドサービスを介して同期や連携が可能になっている。
このほか、米Googleのクラウドサービスに対する関心が高い。13位の『 Google、今度の製品/サービス大掃除はGoogle Sync for BlackBerryアプリなど』、続く14位に『「グーグル、6分間のサービス障害」が与えた影響』、15位に『 Google、オンラインストレージ「Google Drive」を発表、無償容量は5GB 』がランクインした。