Androidを搭載した世界初の携帯電話機「T-Mobile G1」
Androidを搭載した世界初の携帯電話機「T-Mobile G1」

 2008年10月21日(米国現地時間),米グーグル肝いりの携帯電話機「T-Mobile G1」が米国で発売された。

 グーグル肝いりとはいえ,グーグル自身が端末を開発,販売するわけではない。G1を製造するのは台湾の端末メーカーであるHTC,販売するのは米国の大手通信事業者T-モバイルUSAである。

 グーグルが貢献したのは,G1が搭載するソフトウエアだ。グーグルが主導して開発したソフトウエア・プラットフォーム「Android」が搭載されている。Androidは,Linux OSの上に,携帯電話に必要なソフトウエアを載せたパッケージ・ソフトウエア。グーグルは,Androidの全ソースコードをオープンソースとして公開,だれでも無償で利用できるようにしている。

業界に衝撃! 携帯電話の基幹ソフトを無償公開

 Androidの登場による影響は大きい。まず,携帯電話向けソフトウエアを開発する企業は,対応を迫られた。例えば,スマートフォン向けのOSを開発していた英シンビアンはノキアの傘下に入り,同社が販売してきたOS「Symbian」を無償で提供することにした。

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■参考記事:Google,「Android」の全ソースコードをオープンソースとして公開
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Androidの説明をする米グーグルのアンディ・ルビン氏
Androidの説明をする米グーグルのアンディ・ルビン氏

 Androidの登場により,通信事業者や端末メーカーは基幹ソフトウエアを無償で利用できるメリットがある。しかし,どの通信事業者やメーカーも共通のソフトウエアを利用するだけに,独自色の打ち出し方に苦労している。

 そもそもAndroidが姿を見せたのは2007年11月。無償で提供することを明らかにした。グーグルは,端末メーカーや通信事業者,半導体メーカー,ソフトウエア開発者と幅広く協業,これらパートナー企業と共に「OHA」(Open Handset Alliance)を設立,Androidの普及を推進することも合わせて発表した。

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