Microsoftが提唱する企業向けソーシャルのコンセプトが「エンタープライズソーシャル」だ。TwitterやFacebookの爆発的な普及に伴い、企業内でも安全かつ管理可能な形式でソーシャルを活用したいという需要が高まっている。MicrosoftはSharePointの最新バージョンにソーシャル機能を組み込み、2012年6月に買収した「Yammer」との統合を急いでいる。その狙いとは何なのか、Microsoftのエンタープライズソーシャル戦略について、日本マイクロソフト業務執行役員Officeビジネス本部本部長のロアン・カン氏に話を聞いた。
Microsoftは「エンタープライズソーシャル」を提唱しているが、オラクルやIBM、セールスフォースなど競合他社も企業向けソーシャル製品を展開している。Microsoftの強みは?
Microsoftは、「すべてのビジネスがソーシャルビジネスに、すべてのアプリがソーシャルアプリになる」という明確なビジョンを持っている。そのためにMicrosoftが提供するプラットフォームが「エンタープライズソーシャル」だ。
エンタープライズソーシャルで注目してほしい要素は2点ある。まず、ビジネスパーソンは既存のOfficeアプリやメールシステムと一貫性を保ちながら、ソーシャル機能を使いたいと考えている点である。そして2点目は管理だ。情報システム部門は、常にセキュアで、コンプライアンスを確保しながらシステムを運用していかなければならない。
Microsoftの優位性は、ソーシャルのために新しい製品を導入するのではなく、ビジネスの現場ですでに利用されているプラットフォームにソーシャルを導入できることだ。Officeは言うまでもないが、Exchangeは世界の大企業で使われている。インフォメーションワーカーの3人に2人はSharePointをコラボレーションに利用しているという調査もある。Lyncは、日本では対前年比で4倍の勢いで増加している。