最近はハード、OS、ネットワーク環境などの変化が激しいため、自社でサーバーなどのハードを保有することが難しくなってきています。こうした背景から、今後はクラウド業者からハードをレンタルする企業が増加するでしょう。すでに導入したERPシステムへの不満が高まってきている企業もいるようですので、クラウド化の機会を利用してERPシステムを作り直す企業も増えるでしょう。
そこで今まで指摘してきた事項を中心に、ERPシステムを検討する際の留意点を、以下にまとめてみました。
ERPシステムを検討する際の7つの留意点
- 自社の経営管理体制がERPを必要とするレベルに達しているか検証する。もしもそのレベルに達していない場合は、無理にERPシステムを構築しようとしない。
- 業務処理を標準的なものにしても自社の競争力に支障をきたさないか利用部門の意見をよく聞くようにする。取引先の個別ニーズに合ったサービスが取り引きの条件となっている企業の場合は、できるだけスクラッチ開発でシステム構築するようにする。
- フィット&ギャップ分析や要件設計はベンダー任せにしないで、自分たちが中心となって実施する。フィット&ギャップ分析で多くのギャップがあることがわかった場合は安易にカスタマイズに走らない。
- 設計作業を外部に委託する場合は、あらかじめ導入予算の全体額を明示して設計してもらうようにする。また、途中で構築費用が膨れ上がらないようにするための方策を盛り込んだ設計作業を行うようにあらかじめ依頼しておく。
- 大幅なカスタマイズ作業が発生する恐れが出てきたときは、迷わずにERPパッケージ導入をあきらめる。
- パッケージベンダーやSIベンダーの将来性を見極め、当該ベンダーが将来にわたってパッケージをサポートしていける状況にあるかを見極める。
- サポートを依頼するSIベンダーは基本的に自社内の要員だけでサポートできるベンダーを選択し、外注に丸投げで再委託するようなベンダーは使わない。特に設計要員や主要ソフト開発を外注しているような会社は、本番後のサポートに支障をきたす可能性があるので、注意する。