これまで電気・ガスなどの公共料金や税金の支払いについては、官公庁・地方自治体・企業(これらは「収納機関」と呼ばれます)が発行した請求書を金融機関の窓口やコンビニエンスストアに持参して支払ったり、口座振替によって利用者の口座から引き落とす方法が採られていました。マルチペイメントネットワークは、金融機関と収納機関をネットワークで結ぶことによって、利用者がパソコン、携帯電話、ATMなどの様々なチャネルを利用して、公共料金や税金の支払いを24時間いつでも、どこからでも行うことを可能にします。同時に、収納機関にとっては納付結果が即時に通知され、多様な決済チャネルを利用することによって回収率が向上するといったメリットが期待できます。その結果、金融機関は収納事務(いわゆる出納)の大幅な軽減が期待できます。
■マルチペイメントネットワークの仕組み
|
![]() |

従来、申請・届出における手数料は、窓口において現金で納付するか、印紙を申請書に貼付する必要がありました。したがって、申請・届出手続き自体が電子化されても、それに関わる手数料納付が電子化されていないために、電子化の効果が大きく減殺されていました。今後、手数料をマルチペイメントネットワークによって支払うことが可能になれば、手続きのすべてがオンラインで完結するようになり、利用者の利便性や行政の効率は大きく向上すると考えられます。
■歳入金等の電子化予定
出所:日本銀行 |
金融機関、収納機関、システムベンダーが中心となって設立された「日本マルチペイメントネットワーク推進協議会」には、現在2500を超える企業・団体が参加しており、マルチペイメントネットワークの普及・推進活動を行っています。既に2001年10月から「Pay-easy」という名称でサービスが提供されており、NTTドコモの請求料金がみずほ銀行(当時は富士銀行)で支払い可能となっています。その後、サービス提供機関の数は伸び悩んでいましたが、今後は中央官庁や地方自治体の電子化の進展に伴って収納機関が飛躍的に増加し、マルチペイメントネットワークの利用は大きく促進されると予測されています。
その先駆けとして、総務省による「電子自治体パイロット推進事業の実証実験」の一つとして、東京都三鷹市でマルチペイメントネットワークを利用した電子申請・電子収納サービスの実験が行われています。
さらに、中央官庁では上表の申請・届出の手続きでマルチペイメントネットワークの利用を計画しており、その利用者数は電子納付・電子納税の進展に伴い着実に増加していくと考えられています。