私はB2B・B2Cにかかわらず、マーケティングの「4P」つまりProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)のうち、プロモーションについてよく考えます。プロモーションつまり広告に、マーケターとしてだけでなく一人の消費者として接触することがその一つの理由です。
そして多くの企業は、商品やサービスを売るときに広告を活用しています。デジタルメディアのマーケティングに「アドテクノロジー」という言葉があるように、広告に関わる数多くの議論を重ねています。
B2Bのマーケティングで広告と同様に重要になるものは、お客様との直接との対話、すなわち「コミュニケーション」でしょう。営業の現場などでは、お客様との直接対話に多くの時間を割いています。
契約を確認する場合は、対面で進めることが一般的でしょう。新しいお客様(新規客)への説明や、既にやり取りがあるお客様(既存客)へ最新情報の提供や情報交換も重要なコミュニケーションです。
つまりB2Bでは「広告」だけでなく「コミュニケーション」の両方をうまく活用しないといけません。ところが多くの企業では、それぞれを担当する部門が異なり、しかも大きな壁があります。「広告」はマーケティング部門(広報部門の場合もあります)が担当し、「コミュニケーション」は営業部門が担う場合が一般的です。
そしてマーケティング部門と営業部門にはほとんどの場合、「組織の壁」が存在しています。お客様からすれば広告とコミュニケーションには大きな差はなく、その担当部門がマーケティングなのか営業なのかも関係はないというのに。
今回はマーケティングと営業の壁を越えてお客様に接するコミュニケーションの重要さと、そのための業務の進め方、組織論を考えます。古くから存在する問題ですが、多くの企業が導入を進めているマーケティングオートメーション(MA)などがきっかけとなり、さらに顕在化してきているため、この場で改めて考えていきます。
既存客とのコミュニケーションは十分なのか
B2Bのマーケティングで既存客は非常に大切なものです。B2Cのマーケティングとの最大の違いはここにあるのかもしれません。