米ガートナーは、2016年12月に発表した『Gartner CMO Spend Survey 2016-2017』で、北米および英国の企業のマーケティング予算が、来期(2017年度)も引き続き増加するとレポートした。「前年度(2016年度)よりもマーケティング予算が増額される」と回答した企業は57%となっており、これまで以上に企業のマーケティングに対する投資が活発になっていくと予想している。

 そして増額となった結果、マーケティング予算が企業の収益の12%ほどの規模となることも、併せてレポートしている。これは2015年と16年に続き3年連続で増加であり、特に売上規模の大きい大企業ほど顕著となっている。

 だが一方で、「前年度よりもマーケティング予算は減額される」と回答した企業も少なくなく、全体の14%を占めている。こちらも2015年と16年に続き3年連続で増加している傾向にあり、比較的売上規模の小さな企業によく見られる。

 具体的に見ると、年間の売り上げが50億ドル(約5880億円)以上の企業では、マーケティング予算が「増額される」と回答した企業が63%であるのに対し、「減額される」と回答した企業が15%となっている。年間の売り上げが2億5000万ドル(約294億円)から5億ドル(約588億円)の企業では「増額される」と回答した企業が38%に対し「減額される」と回答した企業が21%となっている。つまり、売上規模の大きい企業とそうでない企業との間での格差が拡がっているのだ。

 この格差の背景にあるものが、企業のマーケティング予算の内訳を掘り下げることで見えてくる。全体で見るとマーケティング予算は「人件費(28%)」に最も割り振られ、続いて「テクノロジー(27%)」、「サービス(22%)」、「広告(22%)」となっている。ところが売上規模の小さい企業群、つまりマーケティング予算が減額される割合が高い企業群では「広告」に対して最も高い割合で予算を配分(29%)しており、「テクノロジー」に対する予算配分は低く(24%)なっている。

 「テクノロジー」の内訳を細かく見てみると、最も多いのが「インフラ(23%)」で、以下「マーケティングテクノロジーの開発・インプリ・統合等を行う外部ベンダー利用(21%)」、「マーケティングテクノロジーのSaaS利用(20%)」、「データ分析のSaaS利用(19%)」と続く。

 マーケティング部門のテクノロジーに対する投資は、年々増加している。「2017年にはCMO(最高マーケティング責任者)がテクノロジーに対する投資額が、CIO(最高情報責任者)によるテクノロジーへの投資額を上回る」とガートナーは予測している。

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