12月が近づくと、いろいろなところで“今年の総括”や“来年の展望”が語られるようになってくる。先日、米調査会社のフォレスターリサーチも、デジタルマーケティング分野を中心に、2016年に起こると考えられている「変化」を予想したレポートを、いくつか発表した。

 このレポートは、B2CおよびB2Bマーケティング全般に関するものであったり、ソーシャルメディア部分に特化したものであったりと、様々な観点に分かれている。その中から今回は、B2Cビジネスにおけるマーケティングに対して起こると考えられる変化について少し掘り下げてみよう。

 「変化」の中で筆者が注目したのが「“枠から人へ”の流れが加速する」というものだ。今回はこの言葉を読み解いてみたい。2015年に米ESPNやターナーといった巨大なメディア企業が、相次いで「DMP(Data Management Platform)」を導入し始めたのは、その変化を示す象徴的な動きといえるだろう。

 これらテレビを中心に据えるメディア企業がDMPを導入すると、広告主側のマーケターの動きにも影響が及ぶ。それは従来の主に視聴者の性別や年齢属性だけを頼りに大規模なリーチを求める動きから、より細かな属性データを基に、自分たちが確実にコミュニケーションを取りたいターゲットに対するリーチを求める、つまりリーチの質を求めるようになるということだ。

 このような変化をフォレスターリサーチは「RIP Old-School Media Buying(昔ながらのメディアバイイングが死ぬとき)」と表現した。単純に“視聴者の多い枠”を買うことは、もはや古くて時代遅れなアクションになると指摘するものだ。そして今後マーケターは、“自分たちが相手にすべき顧客が見ている枠”をピンポイントで買う動きへと変化すると予測している。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。