日本時間の2016年8月22日朝、リオデジャネイロオリンピック(リオ五輪)は閉会式を終えた。前回のロンドンオリンピックは、ソーシャルメディアが広く使われるようになってから迎えた初めての大会だった。それから4年がたち、ソーシャルメディアがさらに普及した2016年。今大会は、よりいっそうソーシャルメディア上での盛り上がりが期待された大会でもあった。
実際、米Fluent社が大会開会直前(2016年7月28日から29日にかけて)に、米国在住の18歳以上の男女、2970人に対して実施した調査も、この期待を大きく膨らませた。基本的にオリンピックはテレビで観戦すると応えた人が多かったものの、「今回の大会の様子をソーシャルメディアでもチェックする」という回答が、全体の半数近くとなる46%になっていた。
チェックするソーシャルメディアとして最も多かったのは、Facebookで約70%だった。それにYouTubeが16%で続く結果となっていた。
この調査結果を受けてFluent社は、「ロンドン五輪は、米国にとって最高のテレビイベントだったが、リオ五輪は“オムニチャネル”な大会となるだろう」と評していた。
しかし大会開会中に同社が改めて実施した調査では、当初46%あった「今回の大会の様子をソーシャルメディアでもチェックする」という回答が33%にまで下がったことが、8月12日付で報じられた。これは今大会が開催されたリオデジャネイロが、(今回の調査対象となった)米国のユーザーにとって、時差を気にせずに(少なくとも深夜起き続けていることを強いられない形で)テレビで大会を観戦できる状況にあったことが、少なからず影響しているだろう。
だが、この結果をもって今大会が“オムニチャネル”な大会ではなかったと結論付けるのは早計だ。今回、大会の様子をチェックするためにソーシャルメディアをチェックするユーザーは結果的に少なくなったが、特に減ったのは主にFacebookをチェックするユーザーだったと考えてよさそうだ。
大会前の調査で「今回の大会の様子をソーシャルメディアでもチェックする」と回答したユーザーの約70%はFacebookを利用すると答えていたが、開会後の調査では56%と大きく数字を落としている。一方でInstagramは36%に利用されており、Instagramに抜かれたYouTubeも16%から33%へと大きく数字を上げている。