千葉市・幕張メッセで開催中のネットワーク総合展示会「Interop Tokyo 2005」で,通信事業者各社がIP電話を利用したソリューションを展示している。IP電話サービスと連携する発信アプリケーションを各社が競い合う格好となっていた。

 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は携帯電話のインターネット接続サービスからIP電話を発信できるサービス「Click to Connect」を展示している。NTTコムのIP電話網から発信元と通話先の両方の電話端末を呼び出し,さらに両者間をつなぐことで通話を実現している。アドレス帳をClick to Connect側で管理し携帯電話機内に持たないことから,情報漏えい対策の側面を持つことをアピールしている。法人向けの単体サービスとして,既に6月から提供を始めている。

 一方,NTT東日本も発信アプリケーションを参考出品している(写真)。「Click to Call」と呼ばれる機能で,NTT東日本の法人向けIP電話「ひかり電話ビジネスタイプ」のユーザー向けに提供される。Webブラウザのコンテンツ内に表示された電話番号を自動認識し,IP電話を発信できる。Webベースのグループウエアなどで活用できる。Click to Callはアプリケーション単体では提供しない。「ひかり電話ビジネスタイプのシステム・インテグレーションとして提供したい。投入時期は今年中がメド」(説明員)という。

 このほか,フュージョン・コミュニケーションズは,パソコンからIP電話を発信できるアプリケーション「クリックコール」を初公開(別掲記事参照)。同社のIP電話ユーザー向けに,今夏をメドに簡易版を無償配布する。

 各社ともIP電話サービスに付加価値を付けることで,単なる電話から差異化を図る戦略が見えてきた。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション