フュージョン・コミュニケーションズは,IP電話サービスのアプリケーション連携機能を強化することを明らかにした。まずは今夏をメドにIP電話の電話帳連携サービス「クリックコール」を投入。NTTコミュニケーションズ(NTTコム)が6月に始める「Click to Connect」に対抗する。

 フュージョンは,IP電話ユーザーに電話帳機能を備えたパソコン用のクライアント・アプリケーション「クリックコール」を配布。アプリケーション上で通話先の相手名をクリックし,指定するだけで電話が発信できるようになる。簡易版を無償で配布する。

 クリックコールは,発信元と通話先の端末をフュージョンのIP電話網が中継することで実現する。具体的には,(1)フュージョンのIP電話サーバーがIP電話網経由で発信元と通話先の両端末を呼び出し,(2)両端末の通話をフュージョンのIP電話ゲートウエイが中継する──といった仕組みになっている。ユーザーの不在時に050番号に着信した際,携帯電話など任意の電話番号の端末に転送するサービスも投入する。

 また,フュージョンはクリックコールの機能を拡張し,WebベースのグループウエアからIP電話がかけられるようにする。携帯電話からの発信も検討中という。

 さらに年度内には,メッセージ管理のアプリケーション連携機能を強化する。具体的には,(1)不在時のメッセージ保存と内容のメール添付,(2)ファクシミリ画像のメール添付──といった機能が検討されている。不在でも,録音メッセージやファクシミリが電子メールで受け取ることができるようになる。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション