ソフトイーサは12月24日,リモート・アクセス用ソフト「SoftEther VPN User-mode Router 2.0」のベータ版の配布を開始した。既存のSoftEther VPN 2.0と組み合わせることで,外出先から容易に安全に社内LANにリモート・アクセスできるのが特徴。VPNソフト「TinyVPN」の開発者である山本明夫氏は「素晴らしいの一言」と感心する。山本氏もSoftEther VPN User-mode Router 2.0と似た仕組みを開発中。

 17日にベータ版を公開したSoftEther VPN 2.0(関連記事はこちら)は,ハブやLANカードの機能をソフトウエアでエミュレートするレイヤー2VPNを実現する製品。通信させたいコンピュータにLANカードをエミュレートするSoftEther VPN 2.0 Clientをインストール。ハブをエミュレートするSoftEther VPN 2.0 Serverを介して,SoftEther VPN 2.0 Client同士で通信する。

 SoftEther VPN 2.0のメリットの一つが遠隔保守。例えば,保守したいコンピュータにSoftEther VPN 2.0 Clientをインストールする。あるいはSoftEther VPN 2.0 Clientをインストールしたコンピュータを,管理したいサーバーと同じノードに配置しブリッジ接続する。こうすることで,外出先のSoftEther搭載コンピュータからインターネットを通じてサーバーの遠隔保守ができる。

 SoftEther VPN User-mode Router 2.0は,従来のSoftEtherによる遠隔保守をさらに容易に安全にすることが可能だ。SoftEtherでは必要であったブリッジ接続をすることなく,社内のサーバーにアクセスできる。

 SoftEther VPN User-mode Router 2.0は「ネットワークに詳しい技術者でないとスゴさが分かりにくいかもしれない」(開発者のソフトイーサ登大遊代表取締役社長)。山本氏によれば,「簡単にいうとSoftEtherプロトコル対応の仮想ルーター」という。WAN側はイーサネットではなく,SoftEtherプロトコルに対応する。つまり,SoftEtherプロトコル対応のネットワークと,通常のネットワークをルーティングするイメージだ。

 また,SoftEther VPN User-mode Router 2.0はユーザー・モードで動作する。このため,カーネル・モードで動作していたSoftEtherとは異なり,不具合などからシステム全体がクラッシュする可能性はないため,安全性が高いとしている。