パーム コンピューティングは23日,周辺機器との接続性やインターネット接続機能を向上させた携帯情報端末(PDA)の新製品「m500」と「m505」を5月下旬に発売すると発表した。いずれも同社が開発したPDA用OSの最新版「PalmOS4.0」を搭載している。価格はオープンで,モノクロ液晶ディスプレイを備えたm500の実売予想価格が4万4800円,カラー液晶ディスプレイを備えたm505が4万9800円。

 m500/505の最大の特徴は,本体に小型情報機器向け記憶メディアのSDメモリーカードおよびMMC(multimedia card)に対応した拡張スロットを標準装備している点。これにより,アプリケーションやデータを保存するためのメモリー容量を簡単に増やせる。また,SDメモリーカードに保存したディジタル・カメラの画像を,m500/505に差し込んで画面に表示するといった使い方も可能だ。

 パームはm500/505の発売に合わせて,(1)ゲーム・ソフト内蔵カード,(2)16Mバイトの拡張メモリー,(3)データの自動バックアップ機能付きメモリー--の3種類のSDメモリーカードを発売する予定。このほか,三省堂,昭文社,ダイヤモンド・ビッグ社などが辞書や地図,旅行ガイドといったコンテンツをSDメモリーカード形式で販売する方針である。

 拡張スロットは周辺機器を接続するための外部インタフェースとしても利用可能。将来的に,SDメモリーカード/MMCに対応したディジタル・カメラやモデム,Bluetoothなどの周辺機器を差し込んで利用できるようになる。

 またm500/505は,パームが今夏をめどに開始する情報配信サービス「Webクリッピング」にも対応する。同サービスでは,ユーザーがPalm端末を使って,パームが設置したゲートウエイ・サーバーを経由して,インターネット上にあるコンテンツ・プロバイダのサイトにアクセスする。

 Webクリッピングの主なコンテンツは,ニュース,株価,飲食店などの情報提供やショッピングなど。現時点で,アーパス,イー・トレード証券,ウェザーニューズ,オーディオジャパン,クリエイティブ・リンク,ゴルフダイジェスト・オンライン,スコップカンパニー,ソシオウェア・ドット・コム,ダイジョブ・ドットコム,ダイヤモンド・ビッグ社,東京三菱TDウォーターハウス証券,日経BP,ニフティ,ネットビレッジブルームバーグL.P--の15社がコンテンツの提供を予定している。

 m500は16階調のモノクロ液晶ディスプレイを備えており,厚さ10ミリ,重さ113グラム。m505は6万5000色の反射型TFT液晶ディスプレイを備え,厚さ13ミリ,重さ139グラム。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)

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