ソニーは12月5日,個人を対象としたコミュニティ・サイト運用事業者向けに,顔写真画像ファイルを名刺として使えるようにするサービス「PoP-Sync」の提供を開始する。ASP(application service provider)としてサービスを提供し,料金は月額30万円から。エンド・ユーザーを2002年までに1000万人獲得することを目指す。女性向けコンテンツ提供サイト「eWoman」を提供するイー・ウーマンが12月5日から,PoP-Syncの利用を開始する。

 PoP-Syncの機能と仕組みはこうである。(1)まず個人ユーザーが,名前やメール・アドレスなどの個人情報と顔写真のJPEG画像ファイルをPoP-Sync用サーバーに登録する。(2)ソニーは,ユーザーに対して個人情報へのリンク情報を画像ファイル内部に埋め込んだ名刺「PoP-Sync Card」を発行する。(3)ユーザーは自分のPoP-Sync Cardを配布する。(4)PoP-Sync Cardを入手した第三者は,PoP-Sync専用の名刺管理アプリケーション・ソフトを使って,画像ファイルに含まれるリンク情報を基に個人情報を入手する。

 ソニーがコミュニティ・サイト運用事業者に提供するサービスの内容は,PoP-Sync Cardの発行のほかにもある。画像や個人情報が変更された時に,変更内容などを通知する機能や,コミュニティ・サイト上でユーザー同士がPoP-Sync Cardを交換する機能などである。サイトごとにPoP-Syncサービスのカスタマイズも可能にする。

 電子掲示板のように個人ユーザー同士を結び付けて人的なコミュニケーションの場を提供するサービスは,Webサイトの集客力になる。ソニーでは,PoP-Syncを応用すれば,Webサイトのコミュニティ機能を充実させられるとしている。

 PoP-Sync用の専用アプリケーションはサービス開始当初,Windows版だけ。さらに,「2001年にはPDA(個人情報端末),2002年には携帯電話機でも利用できるようにしたい」(ソニー通信サービス事業部システム商品部の澤田佳明統括部長)としている。なお,PoP-Syncで画像ファイルに個人情報へのリンクを埋め込むソフトウエア技術には,ビジョンアーツが開発した「IP3」を採用した。

(日川 佳三=日経コミュニケーション)


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