ソニーは12月5日,ネットによる電子名刺の発行・交換が可能なサービス「PoP-Sync」(http://www.pop-sync.net)を開始する。コミュニティーサイトなどを運営する企業向けに提供するASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)型のサービスで,採用した企業のユーザーが電子名刺を作って,仲間同士で交換できるようにする仕組みを提供する。第1号のユーザーとして女性向けのコミュニティーサイト「eWoman」(http://www.ewoman.co.jp/)を運営するイー・ウーマン(東京都港区)が採用した。

 PoP-Syncはソニーの関連会社であるサイバージーンドットコム(東京都品川区)の技術「IP3」をベースにしている。IP3はJPEGなどの画像にテキストやURLなどを埋め込むことが可能な技術。PoP-Syncでは企業や個人のユーザーが顔写真などの画像に添えてホームページのURLなどを埋め込んだ「PoP-Sync Card」を発行し,専用のクライアント・ソフト上で互いに交換・管理できる。企業から情報を発信するマーケティングとしての活用や,ユーザー同士の情報交換などコミュニケーションを促進するツールとしての普及を狙う。

 ソニーの堀籠俊生上席常務は「コミュニケーション・サービスはブロードバンド時代を牽引する最初のキラー・コンテンツになる。ソニーとしてネットユーザー同士のコミュニケーションを支援する“PtoP(ピア・ツー・ピア)”型のサービス提供に力を入れる。現時点では合法性の問題はあるが,将来的には“Napster”のようなPtoP型のアプリケーションの提供も避けては通れない」と語る。

 PoP-Syncを企業がASPとして利用する場合は,基本料金が月額30万円から。このほかPoP-Sync Cardの流通量に応じた従量料金が別途かかる。カスタマイズが必要な場合も,別途料金が発生する。ソニーでは2003年度で1000万人のユーザーの利用を見込む。2001年にはソニーの「CLIE」のようなPDA端末,2002年には携帯電話からも利用できるようにする計画だ。なお,一般のインターネットユーザー向けに,機能を限定したPoP-Sync Cardを無料で利用できるようにするサイトを開設する。

(永井 学)

(IT Pro注:◎関連記事
顔写真から個人情報にアクセス,ソニーがWebサイト運用者に新サービス