富士通が複数アプリケーションを統合するエンタープライズ・アプリケーション・インテグレーション(EAI)事業に本腰を入れる。自社開発したアプリケーション・サーバー・ソフトである「INTERSTAGE Application Server」が持つEAI機能を利用するとともに,EAI専門のソフト・ベンダーの製品も販売する。複数のEAIツールを利用し,ユーザー企業のさまざまな要請にこたえていく。

 他社のEAIツールの販売第1弾として,EAIツール大手のシービヨンド・テクノロジー・コーポレーション(http://www.seebeyond.co.jp/)と11月に提携した。メインフレーム上と,UNIXサーバーやWindows NTサーバー上のアプリケーションを連携させるために,シービヨンドのEAIツール「e*Gate」を利用する。

 富士通は,INTERSTAGEとe*Gateとをユーザー企業の要求に応じて使い分ける。金融機関の勘定系システムのように,停止すると業務全体が停止してしまうようなシステムを連携させる場合には,INTERSTAGEを利用していく。富士通社内にINTERSTAGEの開発部隊を持つため,パフォーマンスが出ないときや障害時に,迅速に対処できるからだ。

 一方,ハードウエア・ベンダーに依存しないEAIツールを使いたいと希望するユーザー企業へはe*Gateを提供する。独立系のソフト・ベンダーの製品を持っていないというだけで,商談から閉め出される危険を防ぐ。

 さらに,EAIツールのマーケティング・ノウハウをシービヨンドから学ぶ狙いもあるようだ。シービヨンドは約10年間,EAIツールを専門に提供してきており,米国では数多くの導入実績を持っている。シービヨンドの営業担当者と共同で商談を進めることで,EAIに対するユーザーの要件をどのようにまとめて,プロジェクトをどういった手順で進めたら良いかといったノウハウを吸収できるわけだ。(栗原 雅=日経コンピュータ

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