アプリケーション連携ソフト大手のシービヨンド・テクノロジー・コーポレーション(http://www.stc-j.co.jp/)は11月22日,企業間にまたがってアプリケーションを連携させるためのソフト「e*Xchange」を発表する。e*Xchangeを使うと,複数企業の社内外にあるアプリケーションを結んだ企業間電子商取引システムを,比較的容易に構築できるという。e*Xchangeの国内出荷は2001年第1四半期の予定。

 e*Xchangeは,シービヨンドの主力製品であるEAI(エンタープライズ・アプリケーション・インテグレーション)ソフト「e*Gate」を企業間で利用する時に必要となる機能をまとめたソフト。強化点の目玉は,セキュリティ機能である。相手のシステムとデータを交換する際に,S/MIMEやSSLによる暗号処理を施してから送信できるようになる。これにより,取引先企業との通信手段にインターネットを使う場合にも,安全にデータを交換できる。電子署名を添付する機能も備える。

 さらに,e*Xchangeは複数の企業間にまたがるビジネス・プロセスを定義する機能を備える。例えば,部品の発注量に応じて,自動的に責任者に許可を求めるといった処理を記述できる。e*Xchangeで記述したビジネス・プロセスは,そのままe*Gateの定義情報に変換される。

 シービヨンド・テクノロジー・コーポレーションは,e*Gateを開発・販売するソフトウエア・テクノロジー・コーポレーション(STC)が社名変更した企業である。e*Gateは,データの送受信機能,データの内容に応じて複数のシステムにデータを振り分けるルーティング機能,データのフォーマットを送信先のシステムに合わせて変換するフォーマット変換機能を備えている。

 シービヨンドはe*Xchangeの発表に伴い,22日に顧客向けセミナーも開催する(http://www.stc-j.co.jp/events/1.html)。セミナーでは,米国本社のケイト・ミッチェル上級副社長が,e*Xchangeをはじめとする同社の戦略を説明する。

(高下 義弘=日経コンピュータ