ソニー,三菱電機,松下電器産業の3社によって発足した2M~30MHzの周波数帯域を使用する高速電力線通信(PLC)の標準化団体CEPCA(CE Powerline Communication Alliance)は2005年6月3日,家電メーカーなど5社が参画したと発表した。同団体は今回正式にアライアンスの設立を宣言し,本部は海外メーカーが参画しやすいよう米国に置く。2005年秋をメドに仕様を策定する考えである。

 CEPCAが目指すのは,メーカーが異なるPLC対応家電機器が共存できるようにすること。現状では,メーカーが異なるPLCモデムが同一の電力線で通信しようとすると,干渉が起こり通信できない。2M~30MHz帯域を使う電力線通信の実現については,現在総務省が設置した研究会で議論中であり,2005年10月に結論が出る見込みである。CEPCAはこの結論に合わせ,法整備などが整い実施可能になり次第,即座に製品を出せるよう準備を整える考えだ。

 今回新たに参画したのは,東芝,日立製作所,三洋電機,パイオニア,ヤマハの5社。家電やホームシアター向けの製品を手がけている。CEPCAはあくまでも家電機器へPLCモデムを組み込むことを想定しているため,単体のPLCモデムメーカーなどは仕様策定には加わらない会員(B会員)という扱いになる。仕様策定に携わる会員(A会員)については,今回の5社のほか米国,アジア,欧州の家電メーカーと交渉中で,A会員は最終的に10数社になる見込みという。

(堀内 かほり=日経バイト)