小型メモリー・カード「MultiMediaCard(MMC)」の標準化団体MultiMediaCard Association(MMCA)は,先ごろスイスで開催された総会において新しい小型メモリー・カード「MMCmicro」仕様を承認した。MMCAが米国時間7月21日に明らかにした。

 マルチメディア対応の携帯電話機への搭載を目的として開発されたMMCmicroは,MMCplusとMMCmobileに続き3番目のMMCフォーム・ファクタとなる。大きさは12×14×1.1mmで,現在広く使われているReduced-Size MMC(RS-MMC:24×18×1.4mm)に比べおよそ3分の1。消費電力も少なくなっている。電圧は1.8ボルトまたは3.3ボルトで動作し,最大26Mバイト/秒のデータ転送速度を提供する。

 MMCAによれば,既存のNAND型フラッシュ技術により,1枚のMMCmicroカードで1Gバイトの記憶容量を提供できる。小さなフットプリントで大きな記憶容量の提供が可能なため,携帯電話メーカーは,より多くのマルチメディア機能を組み込めるようになるという。

 MMCmicroカードは,組み込み型フラッシュ・メモリーとほぼ同じサイズだが,取り外しが可能なため,メモリー容量のアップグレードや他のデバイスとのデータ共有ができるという利点がある。256MバイトのカードでCD品質の音楽がおよそ250分,200万画素の写真が500枚以上保存することができる。

 MMCmicro Card仕様は,韓国のSamsung Electronicsが開発し,MMCAに標準化を求めていたもの。Samsung社やその他の企業が同年3月から量産を開始している。年内に記憶容量が1Gバイトの製品がリリースされる予定。また,2Gバイトと4Gバイトの製品もそれぞれ2006年と2007年に出荷が予定されている。

◎関連記事
SDカードの業界団体,米SanDiskの「TransFlash」をメモリー・カード仕様「microSD」として承認
韓国Samsung,「親指の爪よりも小さい」新型メモリー・カード「MMCmicro」を発表
米Lexar,1セント硬貨よりも幅が狭い新しい形状のUSBフラッシュ・カードを発表
MMCAがMultiMediaCardの新仕様4.0版を公開

発表資料へ