小型メモリー・カード「MultiMediaCard(MMC)」の標準化団体MultiMediaCard Association(MMCA)が米国時間2月2日に,同仕様の最新版「MultiMediaCard 4.0」を発表した。新版では,バス幅の拡張,デュアル・ボルテージに対応するとともに高いクロック周波数を提供する。従来のカードとホスト・デバイスからの移行を円滑にするために下位互換性を維持する。

 新しい仕様の3つの特徴は次の通り。

・バス幅の拡大
バス幅拡張(×1ビット,×4ビット,×8ビット)により,柔軟なホスト設計が可能になり,決まったクロック速度におけるデータ転送幅が拡張できる。そのため,携帯電話機やデジカメ上でよりデータ量が多いコンテンツに対応できる。

・高いクロック周波数
最高クロック周波数を20MHzから26MHzおよび52MHzに高速化。データ転送速度が高速化され,携帯電話機のアーキテクチャ要件との互換性も改善される。クロック周波数52MHzで×8ビット・モードの場合,最高データ転送速度は52Mバイト/秒になる。この速度は,従来の20倍に該当し,現在出荷されているすべてのフラッシュ・メモリー・カードの中で最高速度となる。

・デュアル・ボルテージ対応
MMC仕様は,小型メモリー・カードとして初めて3.3Vと1.8Vの両電圧における動作に対応。1.8Vへの対応は,低電圧,低消費電力で動作する新世代の携帯電話および小型モバイル・デバイス向けに重要な機能。

 新しい仕様は,MMCAに参加するフィンランドのNokia,米Hewlett Packard,ルネサステクノロジ,韓国のSamsung Electronics,独Infineon Technologies Flash,米Micron Technology,米SanDiskなどが協調して策定した。同仕様は,MMCA会員に無償で提供される。

 米GartnerDataquestのアナリストであるJoe Unsworth氏は「携帯電話市場は,2006年までにフラッシュ・カードが利用される主な分野になると予測されている。そのため,MMCAは,同市場をターゲットにする戦略決定を行なった」と述べている。

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