米Cisco Systemsは米国時間7月11日,同社と米Yahoo!の電子メール認証技術を統合した「DomainKeys Identified Mail(DKIM)」を,インターネットの標準化機関Internet Engineering Task Force(IETF)に提出すると発表した。「この技術はロイヤルティ・フリーで提供する。業界全体で広く実装が進めば,スプーフィングやフィッシングなどの詐欺に対抗できる」(Cisco社)

 DKIMは,Cisco社の「Identified Internet Mail」とYahoo!社の「DomainKeys」を組み合わせた署名ベースの認証技術。現在,Cisco社,米Alt-N Technologies,米Sendmailによる3つの独立したインプリメンテーションがあり,「相互接続性は実証済み」(同社)。

 Cisco社によると,DKIM仕様の策定は,Alt-N Technologies社,米EarthLink,米IBM,米Microsoft,米PGP,米Sendmail,米VeriSignなどの協力を得て行われたという。

 Cisco社のエンジニア,Jim Fenton氏は,「DKIM仕様は,相互接続性がある複数のインプリメンテーションがあるばかりか,ベンダー各社の協力を得て完成させたもの。IETFによる標準化が速やかに処理されれば,業界によるDKIMの導入も進み,電子メールを悪用した詐欺の有効な対策になるだろう」と述べた。

 IETFは,パリで7月31日より開催される定例会で,DKIMに関する討議を行う予定である。

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