米Yahoo!は米国時間11月15日,電子メール認証技術「DomainKeys」の導入など,同社のインターネット・メール・サービス「Yahoo! Mail」の機能強化を発表した。「電子メールの送信元を認証できる同技術によって,フィッシングやスプーフィングなど,電子メールを悪用した詐欺からユーザーを守る」(同社)
DomainKeysは,Yahoo!社と米Sendmailが共同開発した技術。公開鍵/秘密鍵を利用して,メール送信者の身元を識別する。差出人の秘密鍵を使って,暗号化した署名を電子メールのヘッダーに埋め込み,受信側のサーバーが公開鍵を使って署名を認証する仕組み。「発信元のドメイン名を偽装するスプーフィングや,個人情報を盗用するフィッシングに有効」(同社)
Yahoo!社Communications Products担当副社長のBrad Garlinghouse氏は,「DomainKeys を実装することで,ユーザーに不可欠なオンライン・セキュリティを提供する」と説明する。
その他の強化内容は次の通り。
・無料メンバーの保存容量を250Mバイトに,添付ファイルの最大容量を10Mバイトに拡大する。また,有料メンバーが送受信できる添付ファイルも,最大20Mバイトに拡大
・受信ボックスに,「Search Mail」および「Search the Web」ボタンを用意し,メールや添付ファイルといったアカウント内の検索と,Webの検索を容易にした
・他の電子メール・サービスから,アドレス帳のコンタクト先を容易にインポートできるようにした。また,「Yahoo! Address Book」に登録したコンタクト先に,Yahoo! Mailの新しいメール・アドレスを通知する機能を追加した
・「Address AutoComplete」機能を強化した。「To」「Cc」「Bcc」などの送信先に,電子メール・アドレスもしくは受信者の最初の数文字を入力すると,アドレスが自動的に表示される
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