米In-Statは米国時間7月6日,デジタル地上波TV(DTT)用セットトップ・ボックス(STB)市場に関する調査結果を発表した。それによると,DTT STB市場は2006年に弾みをつけ,2009年には100億ドル規模以上に達する見通しという。「デジタル地上波放送を開始する国が増加しており,この傾向は今後いっそう加速する」(同社)

 ここ数年間,出荷台数で市場をリードしていた欧州は,2006年に開催されるサッカーのワールドカップが特需を生むことが予測され,今後も継続してDTT STB市場をけん引する。

 また現在,HDTV(高精細度テレビ)用のDTT STB市場ではオーストラリアが首位に立っており,米国がそれに続く。日本と中国も新興市場として台頭しつつある。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・米国では,米U.S. Digital Television(USDTV)が地域のDTT放送局の余った容量を取りまとめて番組を放送し,ケーブルTVに代わるより安価な選択肢として提供している

・STB市場ではこの先,新しいビデオ・コーデックに対応し,ハード・ディスク装置とPVR(Personal Video Recorder)機能を内蔵したSTBの開発が進む

・中国では2007年にDTTサービスの開始が予定されており,2008~2009年にかけてエントリ・レベルのHDTV STBの需要が急増する見通し

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